第13期共育講座 第1講座(4月20日)
人を生かす経営とは

豊田 弘氏  知立機工(株)

 

豊田 弘氏

第13期社員と学ぶ共育講座(28社、81名が参加)の第1講座、豊田弘氏の報告を紹介します。

人は自ら考え、気づくことで育つ

私たちは人生の大半を会社で過ごします。生きることは、働くことです。私はかつて解雇されたことから起業に至ったので、働く場がないというのは、どんなに辛いことなのか体験しています。

創業当初、競馬や多額の借金などの問題を抱えた社員と、これから先どうしていけばいいのか本当に悩みました。そして、まず人間性を高めることから始めました。
「人、命、働く」をテーマに徹底的に討論しました。最初は社員から「難しい」と言われましたが、「難しいから考えるんだ」と言い根気よく続けていると、人は自ら考え、気づくことで自主性が生まれることがわかりました。これを大事にすれば、人は生き返ることができるのです。

もう1つ大事なことは、社員に任せたら、干渉せずに任せきることです。そうしないとどうしても社員は依存し、自主性は消えてしまいます。

人を生かす経営者の姿勢

ある仕事ができないだけで「あいつはダメだ」と決めつけず、配属変更などで全ての可能性を試せば、その人が活躍できる場は必ずあると信じています。経営者には、採用責任があるのです。

「人を生かす」ということは、経営者の都合で社員を使うことではありません。社員を正す前に、経営者が自問自答し自らの姿勢を正していくことが大前提なのです。

「人を生かす」とは、人間尊重が基本です。生命・個人・社会性を大切にした、あてにし、あてにされる関係を築いていかなければ、本当の意味で人を生かすことにはならないと思います。
経営は会社経営と人間経営のバランスです。社員が自分の足で歩けるようにしてやることが共育だと思います。根(人間性)を養えば、人(社員)はおのずと育ちます。