役員研修大学―第1講座(5月21日)
同友会運動の歴史と理念

赤石 義博氏  中同協相談役幹事

 

必然的に望ましい結果を生み出すための原因づくりをすることを提案する赤石氏

歴史に見る因果関係

第13期役員研修大学第1講座では報告者に赤石義博氏をお招きし、「同友会運動の歴史と理念」をテーマにお話しいただきました。原因と結果の因果関係を歴史から洞察する経営者の姿勢、必然的に望ましい結果を生み出すための原因づくりを今から行うことについて学びを深めました。

歴史をひもとくと、明治維新政府がとった重化学工業重点育成政策や1930年代の軍事強化戦略、同友会誕生のきっかけとなった戦後の経済復興政策「傾斜生産方式」、そして現在に至るまで、政府の方向性によって中小企業が様々な苦境に立たされてきた背景があります。

当時の中小企業家はそれらの政策に疑問を感じながらも何も発信をしてこなかった結果、多くの中小企業が廃業しました。

同友会運動の基盤

この体験に基づく反省から同友会会員による運動が生まれ、現在の「自主・民主・連帯」の精神や労使見解、「人間尊重経営」の実践などといった同友会運動の基盤が作られました。

「自主・民主・連帯の精神」には、歴史的背景から生まれた深い意味があります。自主は、かけがえのない命を大切にしたい、健康でありたい。民主は、仲間として認められたい、当てにされたい。連帯は、職場や専門分野で輝く存在を目指すなど、人生を悔いなく精一杯生きたい。

こういった社員の潜在的動機を経営方針・計画の中に対応させ、具体的に実行していくことが経営者の責任であると報告をまとめられました。