共育講座−第2講座(5月25日)
社員と強い会社づくり

石田 篤則氏  三敬(株)

 

「経営指針書で人生が変わった」と石田氏

第13期「社員と学ぶ共育講座」(28社、81名が参加)の第2講座として、石田篤則氏の報告を紹介します。

3年間の暗闇トンネル

私は、綿発祥の地、蒲郡で縫製工場を営んでいます。主にベビー寝具の製造販売をしています。創業者の父が体調を崩したことをきっかけに、会社に戻りました。

最初は順調な業績でしたが、大手量販店の中国産導入により自社でも中国産に切り替えました。しかし、売れば売るほど薄利で経営が悪化します。そして、地域の同業者からも反感を買いました。

それから約3年間、不平不満を言いながら飲み歩き、仕事も家庭もボロボロでした。ほかの商売に転換しようとも考えていました。

そんなある日、友人に誘われた同友会の例会で衝撃を受けました。つまらない毎日に「光」が見えました。

経営指針書で人生が変わった

同友会に入会後、経営指針書を作成。「日本製で良いものを製造する」と決意します。

下請けから自立体質への改善を試みましたがうまくいかず、同友会の仲間に相談すると、「この指針書には社員のことが何も書いてない」と指摘されました。経営者も社員も同じ「人」であることに気づき、「私が悪かった」と社員に謝りました。この時から、いい方向へ進み出しました。

新卒採用で内定を出した際は、ご両親にも会社を見学してもらい、指針書を説明しました。そして「娘を宜しくお願いします」と言っていただいたのです。

現在、社員の力で次々と新規事業が展開されています。会社にとって、人が一番の資源です。社員一人ひとりが仕事の価値を考え、その意味が理解できると、やりがいにもつながります。

私は、経営指針書で人生が変わりました。社員のことを真剣に考え、進むべき方向を定めると、必ずよい方向へ進みます。