共育委員会(6月22日)
時代を乗り越える「人育て」

高瀬 喜照氏  (株)高瀬金型

第13期「社員と学ぶ共育講座」(28社、81名が参加)が開催されています。今回は、第3講座、高瀬喜照氏の報告内容を紹介します。

真の会社の成長を語る高瀬氏

人と人が助け合う時代

私たちは豊かさの中で「当たり前」の価値観が根付き、努力する機会が失われてきたように思います。しかし、経済的、精神的にも不安定になった今、昨年の東日本大震災が私たちの価値観を変えました。あの日の映像を何度見ても、人間の虚しさを感じます。改めて人と人との関係を大事にし、助け合って生きていく大切さに気付かされました。時代の転換点である今、新しい価値観を見つけていく必要があります。

未来へつながる「人育て」

金型職人は皆、プライドを持っています。もちろん、私も金型の仕事に就けて良かったと思っています。仕事は、人生の中で大きな影響があります。仕事に誇りを持っていれば、向上心が生まれ、技術も高まります。

自社はプラスチックの金型成型をしています。弟と2人で創業し、中途採用をしてきましたが、想いが共有できず対立関係に陥りました。

そんな中、新卒の採用で新たな風が吹き、既存社員も前向きに考えるようになりました。社員が仕事に誇りを持ち、人間的に成長してくれることが、真の会社の成長になると思います。

ある社員が「仕事を通して、相手を主体者として考えることを学んだ」と言ってくれました。私はとても嬉しかったです。経営者と社員の立場は違えど、人間としては同じです。人が一番幸せなことは、人に認められ、生きていくなかで自分の役割を感じることではないかと思います。

会社は社会の公器であり、未来の社員のためのものでもあります。だからこそ、どんな時代であっても、人を育て、次世代へつないでいくことが大切です。