農業部会(6月22日)
異業種交流での企業連携

〜農業の6次産業化の実践

6次産業化の事例を学ぶ

顔の見える関係

農業部会の例会が34名の参加で開催され、(株)愛農流通センターの池野雅道氏と江端貴氏より6次産業化実践についての報告が行われました。

愛農流通センターは農家が中心となってつくられた会社で、「顔と顔が見える関係を大切にする」を企業理念として掲げています。その理念には、池野氏が30年以上も前に農業者として経験した当時の想いが込められています。

苦労して作った農産物を初めて消費者に直接販売したとき、とても喜ばれました。それまで直接消費者と関わる機会がなかった生産者の池野氏にとって、評価してくれる消費者の存在が嬉しかったといいます。その経験から得た想いが現在の企業理念となり、社員や消費者の指針として共有されています。

人の手でひと工夫

今例会のテーマである6次産業化とは、生産者が主体となって農畜産物の生産・加工・流通・販売を総合的に行うことを指します。そもそも愛農流通センターが6次産業を始めた背景には、確実な収穫量を見込めない農業において、農畜産物を加工することで安定的な供給量を確保することがありました。

農畜産物加工においては、すべてを機械で製造するのではなく、あえて人の手でひと工夫加えて、細かなニーズに対応することが大切だといいます。愛農流通センターはこうして差別化を図り、少量多品種商品を継続的に生みだしています。また流通と販売に関しては、理念にもあるように、コンセプトなどの商品情報を取引先と会って確実に伝えることを大切にしています。

参加者からは「今後、自社が農業に関わるヒントを得ることができた」と好評を得ました。農業部会では今後も実践報告を中心に例会を開催し、業種の垣根を越えた連携によって地域の活性化のために活動を行っていきます。