政策要望委員会・情勢学習会(7月27日)
わが社の情勢分析

〜縮小市場での活路とは

木全 哲也 氏  (株)三恵社

上根 崇 氏  上根精機工業(株)

 

冷静に見極める目

政策要望委員会では今年度、特に経営指針づくりに欠かすことのできない外部環境分析と連動させた、より具体的な政策提言づくりに向けて取り組んできました。その一環として4月27日に開催された第1回情勢学習会に続く、第2回情勢学習会が7月27日に開催されました。

今回は印刷業界、精米機業界と、それぞれ厳しい業界のなかにありながらも着実に活路を見出してきた木全哲也氏<(株)三恵社>、上根崇氏<上根精機工業(株)>のお2人を報告者に迎え開催しました。

木全氏からは、業界が構造変化の波に巻き込まれ、市場規模がピーク時の5割程度まで縮小するなか、「脱印刷」を掲げることで、「出版業」という新天地に業態を変化させながら新しい仕事づくりに取り組んできた経営実践が報告されました。

経営実践報告を行う木全氏と上根氏

経営理念に立ち返る

上根氏からは、かつては法的保護の下にあった業界が、時代の流れのなかで、業界内で従来大部分を占めてきた小規模事業者が減少してきたこと。そして大規模化が進んだことによる売り先の減少、さらには、食文化の変化に伴った米自体の消費量の半減に直面します。

そのため、営業エリアの拡大、産学官連携による技術開発、自社製品開発へと社業を展開させてきた経緯が報告されました。

2人の報告者に共通することは、次の3点に集約されます。まず、常に外部環境を冷静に見る目。次に、自社の経営理念に常に立ち返りながら新たな取り組みを進めてきた点。そして、全く新しいことをゼロから始めるのではなく、自社の既存の仕事を磨き上げることを通じた新しい仕事づくりに取り組んできた点です。

参加者からは、「本業+その周りを付加する」「アンテナを高くして情報をキャッチする」などの感想が寄せられ、自社の立ち位置を分析する事例など、今後の企業経営のヒントとなる学びとなりました。