名古屋第4支部例会(8月21日)
市場創造の担い手は社員

坂本 光司氏  法政大学大学院教授

「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者の坂本氏

利益を上げている会社の共通点

名古屋第4支部の例会は、県方針「同友会らしい黒字企業」、2020ビジョン「新しい仕事づくり」に沿い、あいち経営フォーラムで新市場創造関連の分科会に人気があることを踏まえ、「お客様がいなければ創ればいい〜自社の市場創造の真の担い手は、実は社員さん」のテーマで、法政大学大学院教授の坂本光司氏に報告をいただきました。当日は181名の参加で開催されました。

今回の学びのポイントは、社員を大切にすれば社員はお客様を大切にしてくれ、この結果ファンが増えてリピーターとなり、自社の市場創造につながるというものです。

坂本氏が訪問した利益を出している元気な会社に共通するのは、以下の7点です。

  1. 人をとことん大切にしている=「社員を愛している」
  2. 価格競争はしない=非価格競争力を武器にする
  3. 特定のマーケット、商品、顧客に過度に依存しない
  4. 人材確保、育成に熱心=好不況を問わず、新卒メインで採用する
  5. 流行と景気を追わない
  6. 敵を作らない=下請けいじめをせず、ファンを作る
  7. 新しい価値創造に注力している。

求められるものは精神的な豊かさ

元気な会社は社員の犠牲の上に立つのではなく、社員を大事にしている会社です。利益率が高いということは社員のモチベーションが高いということであり、景気の良し悪しなどは関係ないのです。利益率が低ければ、それは社員のモチベーションが低いということ。すなわち、経営者は社員のモチベーションを上げることが仕事だといえます。

前述の7点からは、物質的な豊かさよりも、社員の接客内容の良さといった精神的な豊かさを求めるお客様像が感じられます。現実の経営は理想通りにはいかないものですが、悩みつつ同友会らしい黒字経営を目指していく姿勢をブレずに貫けるかどうかで、10年後大きな差になって表れてくると思います。

 

若原国際特許事務所  若原 誠一