金融アセスだより(第71回)
アセス運動から
金融機関(政府系を含む)からの融資は、中小企業にとっては事業を拡大する上での最重要の課題です。私たち中小企業の経営者が自らの襟を正し、具体的に行動を変えることによって、金融機関からの厚い信頼を勝ち取ることが、同友会で推進してきた「金融アセスメント法制定に向けて」の精神の1つでもあります。
現在、過去、将来の3つのキーワードを的確に把握し経営判断をすることが、同友会の目的でもある「良い経営者になろう、良い会社をつくろう、良い経営環境をつくろう」の達成につながると考えます。企業経営で重要な経営資源は人・物・金といいますが、人や物のことはよく考えていても、金のこととなると経理に任せきりという経営者も多々見受けられます。もっと金融のことを勉強しなければいけません。
リレバンのねらい
企業と金融機関のより良い関係を目指したリレーションシップバンキング(以下、リレバン)。それは、企業と金融機関の良好なコミュニケーションの中から、経営者の資質、技術力、販売力など、事業の将来性についての情報を提供し、従来の財務諸表にもとづく「定量評価」に「定性評価」が加わることを意味します。これにより、数値だけではわからない事業の社会性や地域性が、融資の判断材料になるのです。
そしてリレバンは、その具体的な効果として(1)迅速な融資の実施(2)信用リスクに応じた金利設定(3)適切な再生支援の実施、以上を狙ったものだといえます。
地銀や信金などの金融機関は、こうした取り組みも進めているということを、経営者は深く理解しておく必要があります。
onde(株) 松波 正晃