どうゆうき

▼本年10月16日、念願の「愛知県中小企業振興基本条例」が施行されました。条例制定に向け、私たちが本格的な運動を始めたのは2004年。まず「条例プロジェクト(現委員会)」を立ち上げ、毎年の県行政との懇談会で条例制定を要望項目としました。県総会やフォーラムなどでは多くの大学教授陣に条例についての論理整理をお願いしました。実例を学ぼうと墨田区や千葉の行政の方、あるいは他県同友会から報告をいただき、条例委員は千葉や八尾市を視察しました

 

▼2010年6月の「中小企業憲章」の閣議決定で、条例制定への動きは加速。愛知県知事選に向けてのパネル討論会を実施し、立候補者全員から条例制定の言質を取りました。そして、新知事の下「あいち産業労働ビジョン」で"中小企業を支援する基本条例"が掲げられます

 

▼条例の策定にあたり懇話会メンバーに杉浦三代枝会長が選任され、意見集約のための車座集会に、まず同友会の政策委員会が呼ばれました。条例作成について行政が同友会にも相談に来て、意見を参考にしたのはなぜか。それは同友会を「あてにできる良識的な団体」と見ているからです。自主的・民主的に経営者同士が学びあう姿勢を知っているのです

 

▼条例とは、中小企業の存在と役割の重要性を県民が認識し、その振興を図るものです。県には「中小企業者等の意見聴取・状況把握をし、必要な策を講ずる」義務が生じます。例会や指針つくり、アンケート回答、施策の利用などから出てくる課題を発信し、行政などと共に克服することが私たち同友会に期待されています。

 

副代表理事  和田 勝