南尾張支部−経営指針講座(9月3日)
経営理念とは何か

石黒 俊朗氏  (株)サカエ

経営指針の重要性と作成手順を語る石黒氏

社長と社員は同じ人間

南尾張支部は23名の参加で、企業体質強化部門「特別講座」の第1講「経営理念について」を開催しました。当日は、石黒俊朗氏が企業経営を通じて確信した経営指針の重要性と策定手順について報告。その後、労使見解「人を生かす経営」をテーマに、社員に対する基本姿勢や経営理念についてグループ討論を行いました。

石黒氏は、同友会で経営指針という言葉を初めて耳にし、会社経営には理念・方針・計画の3要素が揃った経営指針が必要であることを知ります。それから、石黒氏は1人で経営指針書を完成させ、社内の共有化を進めました。しかし、社員からの理解は得られず、苦悩します。

その後、同友会の労使見解「人を生かす経営」に出会い、自身の行動と照らし合わせながら、自身が経営者として何ができるのかを考え、経営者と社員は同じ人間という対等な立場を前提に、重要なパートナーとしての関係作りに着手し始めました。

誰からでも謙虚に学ぶ

現在も、社員だけのグループ討論を定期的に開催するなど、同友会の学びを愚直に企業経営に生かし続けています。そのなかで守るべきこととして石黒氏は、経営者の想いを一方的に社員に押し付けるのではなく、「誰からでも謙虚に学ぶ姿勢」によって社員一人ひとりの本音に一貫して耳を傾けることが必要だといいます。

会社では、企業理念の根底にある「人間一人ひとりの心が満たされる状態=幸せ」を行動指針として全社で共有しているといいます。そこから討論によって相互に考えを交流する「共育」の試みをしています。

最後に、先行き不透明な世の中だからこそ、まずは社員が進んでいく目標や道筋を明確に示すことが経営者の責任であると、参加者に想いを伝えました。