金融アセスだより(第72回)

アセス運動の原点

愛知同友会50年史の第5章第4節(P198〜)に金融アセスメント法(以下、金融アセス法)推進運動について書かれています。この運動は、1998年に会員数名が立教大学の山口義行氏と「金融環境の改善に自分たちで何かできないか」を議論したことから始まりました。

当時の金融機関は健全性の確保だけを求め「貸し渋り」や「貸し剥がし」などが横行。格付けの低い中小企業に厳しい影響が出ると予想されました。山口氏は、アメリカの地域再投資法が「利用者の利便性」「地域経済への貢献度」の評価と結果の公表を義務化して、円滑な地域金融を担保していることを紹介し、これを基に提案されたのが「金融アセス法」でした。

国を動かすうねり

愛知では、まず会員に金融の実態調査を行い、次に金融アセス法について多くの勉強会を開き理解を広めました。2001年に愛知10万名署名運動がスタート。並行して、法制定を国会に請願する「金融アセス法制定の意見書」の採択を愛知県や県内全市町村議会にお願いして廻りました。全国でも連携して03年には100万名署名を達成し、請願署名としてこれを国会へ提出しました。

02年には金融検査マニュアルに中小企業向けの別冊が作られ、03年には地域金融機関に対する「リレーショナルバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」も策定されました。この経験を活かすよう、襟を正して経営にあたることが必要です。

 

赤津機械(株)  藤田 彰男