今に繋がる足跡 50年の歩み

(8)障害者問題

国内初の障害者共同作業所「ゆたか共同作業所」

生きる・働く権利

愛知同友会は創立当初から、障害者が社会の一員として生活し働けることをめざす取り組みを行っていました。障害者問題への本格的な取り組みは、1964年に知的障害者のための授産所建設運動の発起人となることを決定した時から始まったといえます。

69年には「ゆたか共同作業所建設趣意書」を発表し、会内外へ出資を募り、会員企業が職場建設と仕事づくりに協力しました。そして日本初の障害者共同作業所である「ゆたか共同作業所」が発足。72年には社会福祉法人ゆたか福祉会となり、それを皮切りに全国に共同作業所が誕生し、全国組織「きょうされん」に発展しました。

82年には中同協障害者問題委員会が発足。翌年から隔年で障害者問題全国交流会が開催されています。

同友会の障害者問題への取り組みは、障害者雇用を通じて「人間いかに生きるべきか」「働くとは何か」「幸せとは何か」という本質的な命題に迫るものとなりました。障害者問題は、人間尊重の経営をめざす同友会として常に「経営の原点」に立ち返る根本の問題であり、同時に「誰もが人間として働く喜び、生きる喜びをつかめる社会」づくりという、人類の夢を背負った運動でもあるのです。