第40回青年経営者 全国交流会 in 島根(10月4〜5日)
信頼関係が人と組織を生かす
(株)エースベーキング 吉田 昌容始 氏

神在月の島根県の10月、第40回青年経営者全国交流会が開催され、全国から984名、うち愛知同友会からは135名が参加しました。その第4分科会で愛知同友会の吉田昌容始氏が報告しましたので、概要を紹介します。
経営者の覚悟を示す
私は数字や実績を重視する銀行で働いていました。後継者として会社に戻ると、社員の士気も弱く、悩んでいた時に同友会に入会します。さっそく経営指針を作り、雰囲気は良くなった反面、経営指針が実現されていないと退社する人も出てきました。
そして景気低迷から業績が悪化し、人員不足で社員の負担が増えていきました。そんな折、給与削減を検討したところ社員の不満が爆発し、労働組合が結成されます。ショックと憎しみの感情が湧き、出口の見えない状況に陥りました。
しかし、私の価値観が変わる出来事が起こります。まず、同級生の突然の死と長女の誕生で、身近な人の「生」と「死」に直面し、人の命について考えさせられたことです。
2つ目は、同友会の例会の企画の中で、任せて人が育つことを経験し、会社も社員を信じて任せないといけないという気付きです。
3つ目は、経営指針成文化セミナーに参加し、指針書に社員のことが考えられていないと指摘され、何のための会社なのか本質を突きつけられたことです。
社員の心の声を受け止め、人間として尊重する経営者の姿勢と覚悟を示すこと。これがないと、手法を学んでも解決しません。同友会の先人たちがまとめた労使見解の、共に育つ重みを確信しました。