農業部会(10月26日)
農業分野における三位一体経営

中野 滝宗 氏  (有)知多エッグ

地域と共に発展する企業を考える

自立して機能する会社に

知多エッグは、生産から販売まで自社一貫型の養鶏業を営む企業です。客先は主に地元住民で、小売店を通じた販売のほか、自動販売機による直接販売も行っています。

1994年に父から事業継承した中野滝宗氏は、売上向上のために生産規模の拡大を行いました。しかし、それによって人手不足を招き、さらには社内の教育体制も十分に整備ができませんでした。

それから9年後、経営を学ぶために愛知同友会に入会します。当時から目標としていたことは、自身が直接関わらなくても会社機能が正常に稼働し、経営者として企業を持続・発展させるために勉強する時間を確保することでした。

企業理念の明確化

中野氏は、まずは即戦力となる中途者の採用を始めたものの、企業の考えを共有することに苦労し、社員間に新たな課題も出てきました。その後、新卒採用に挑戦したことで、自社に一番足りないものは企業理念だと気付きます。

それ以降、会社の未来を切り開くための羅針盤である経営指針の成文化と共有、そして具体的な実践を行い続けています。「地域と共に発展したい」と願う中野氏は、顧客の要望に応えるために更なる雇用創出と、社内における「人が人を育てる環境づくり」に力を入れています。