障害者問題委員会 in 東尾張支部(10月25日)
地域と共に生き、共に働き、自立への第一歩
守矢 茂樹氏 県立春日台養護学校 進路指導主事
朝岡 道治氏 NPO法人楽歩 理事長
江口 大司氏 (有)エグチ・ピープロセス 専務取締役
(江南・岩倉地区)

欠かせない人材
最初に、障害がある人たちの働く様子をDVDで見ました。ラーメン店で働く自閉症の社員は、変化への順応が困難でしたが、日々働く中で、お店の混み具合に応じて自分がやるべき仕事を判断できるようになりました。
また、組立作業現場で働く社員は、数が苦手でも10個ずつ梱包できる道具、一瞬でベアリングの玉を均等に組みつける道具など働く環境を整えることで、欠かせない人材に成長しています。どの人も働くチャンスに出会い、人生が豊かになっていく様子が映像から伝わってきました。
企業づくりの第一歩
この後、パネル討論でインターンシップへの理解を深めました。
守矢茂樹氏の勤める養護学校の生徒は、社会的・福祉的な就労を視野に入れて校内実習をし、高等部2年から企業でのインターンシップで自分の力を確かめ、卒業後の進路を決めます。今年の卒業生は62名で今後さらに増えることから、企業への期待は高まっています。
江口大司氏は、雇用している障害のある社員4名について報告しました。入社して10年〜31年、3名が金属プレスと溶接の現場で、1名が軽作業で他の社員と同様に活躍しています。彼らの配置は社内で話し合い、一人ひとりに合わせた配慮が工場全体の安全につながっています。新入社員もベテランの工場長も一緒に働くことを「当り前のこと」だと言います。
朝岡道治氏は、実習受入や就労支援の経験から、必要なサポートについて具体的事例で報告しました。
3名からは共通して「構えずやってみて」との発言があり、「一緒に働くことで社員と人間観を共有し、それぞれの能力を育む風土が培われる。インターンシップは企業づくりの第一歩」とまとめられました。
また、東尾張支部長の林康雄氏は「労使見解を基に障害のある人も含め、あてにしあてにされる関係をつくれるよう、企業の門戸を開ける努力をしていこう」と結びました。