人を生かす経営全国交流会
<問題提起> 「時代認識」を明確にし「強み」で連携

自社実践を基に問題提起をする宮﨑由至中同協副会長

アナログで付加価値を

10年前、これからは大企業とデジタルが残ると言われました。しかし、同じものをつくるデジタルに付加価値はつきません。中小企業はアナログでやってきました。わが社の酒づくりも、米も水も気候も毎年違い、再現性がありません。また、フェイスブックの「いいね!」という共感の小さな囲い込みは、大企業が最も不得意とするところです。そのため、中小企業のアナログが、付加価値を生む時代となりました。

三重県では、県職員が地元中小企業1050社を訪問しました。そこでわかった問題点は、(1)対売上付加価値率が極めて低い、(2)その理由は「連携がない」、(3)「海外戦略がない」の3点でした。

この問題を解決するには、戦略と戦術の違いをわきまえ、自社の強みを掴むことです。宮﨑本店の強みは、10年程前に「安心・安全・安定供給」だと教わり、マーケットが定まりました。顧客の定義は「20歳以上のお酒を飲む全国民」でしたが、全国民が買えば安定供給はできません。ニッチより狭いカルトマーケットに絞り込みました。

強みのあるもの同士は、できたサービスや商品で新しいものをつくる出口連携ができます。今後は、産業政策のプロセスに中小企業がどうコミットできるかが大きな課題といえます。

 

(文責・事務局 岩附)