金融アセスだより(第75回)

定性評価への影響

金融委員会では毎月テーマを決め、金融機関にヒアリングを行っています。これは、できるだけコミュニケーションをとることが目的であり、私も弊社を担当している一般行員を対象に毎月ヒアリングをするよう努めています。

金融機関が融資の可否を判断する材料には、決算書などによる定量評価と、経営者の質や商品力などから判断される定性評価があります。定性評価は数値だけでは分からないので、普段からのコミュニケーションが重要となります。

弊社とおつきあいいただいているA信用金庫は、決算書から事業に対する真摯さや、事業計画と収益性などから見る返済能力、万が一の時に債権保全をする担保があるか否か、融資した結果、融資先にどのような利益が見込まれるのかという妥当性からチェックすると言います。

日頃の努力が奏功

しかし、そこに担当者の評価も大きく影響します。弊社が融資を申し込んだ際も、担保価値や事業性がうまく伝わらず話が進まなかったのですが、最終的には担当者や支店長の口添えで融資が決まりました。日頃の信頼関係づくりがなければ、杓子定規に断られていたかもしれません。

3月には金融円滑化法が終了することで、金融機関との関係がさらに重要になってきます。経営指針書の開示や決算報告はもちろんのこと、併せて、普段からこまめにコミュニケーションをとり信頼関係を築いておくことの重要性が、ますます高まっています。

 

安藤不動産  安藤 寿