西三河支部例会・障害者問題委員会との交流会(1月29日)
ここから物語が始まる 〜関わりの一歩

成瀬 弘司氏  愛知県立安城養護学校
豊田 弘氏  知立機工(株)
磯貝 賢一氏  (株)大磯屋製麺所
馬場 愼一郎氏  データライン(株)

実習の経験を交流しあう参加者

学校の取り組み

昨年度から始まった「ここから物語が始まる」企画の第2話は、養護学校の実習を受け入れた会員企業3社と、送り出す側の学校から報告いただきました。

安城養護学校では、産業構造の変化でこれまで多かった繰り返しの作業がなくなり、職域拡大に努力しています。愛知県下の養護学校はマンモス校が多く、卒業生は今後も増加傾向にあります。学校では、祭りでの販売体験、スポーツ試合での吹奏楽演奏など、地域の協力を得て社会的経験を身につけられるよう取り組んでいます。なかでも就労体験は、社会のルールや視野を広げる貴重なチャンスになっています。

支え、支えられて

実習受入側の知立機工の豊田弘氏は、精密な一品物の製造業で、過去の経験から雇用は難しいと考えていました。しかし今回は、実習生の礼儀正しさや、組みつけを完成させた達成感あふれる笑顔に驚かされました。また、これまで力を入れてきた社員教育を見つめ直す機会にもなりました。

大磯屋製麺所の磯貝賢一氏は、昔ながらの製法で焼きそばを製造しています。初めての実習受入で、作業の切り出しができれば雇用も可能と実感しました。関わり合いの中で社員の優しさが引き出され、働く喜びを全社で共有できたのが一番の収穫といいます。

データラインの馬場愼一郎氏は、印刷会社を営んでいます。1つ1つの機械にオペレーターがつく作業現場での実習は難しいため、製本のりづけ機を学校に持ち込み、社員と一緒に技術指導をしました。その経験を社員と話しながら、馬場氏は、「自分の期待値を基準に相手を評価していないか」「いつの間にか喜怒哀楽を自分の中に閉じ込めて働いてないか」を問い直しました。

3社の報告からは、彼らを支えることで、実は自分たち自身が支えられているという気づきを得ることができました。