名古屋第3支部例会(1月16日)
世界経済の中の日本
 〜愛知の中小企業が日本経済の主役を目指す

松井 清充氏  中同協専務幹事

「労使見解」に基づく企業づくりの大切さを説く松井氏

感性の時代への対応

激変する世界経済の中で、中小企業が生き残る道はあるのでしょうか。中同協専務幹事の松井清充氏より、世界と日本経済の現状と、それを踏まえ中小企業は何をしていくべきか報告いただきました。

日本は少子高齢化による人口や企業の減少、地域の衰退など課題は山積みです。モノの豊かさから心の豊かさを追求する感性の時代へ変化し、求めるものが不明確になっています。それに気付くには、直接見たり触れたりすることが重要で、企業から顧客へ提案できるようにならないといけないといいます。

不確実で断片的な時代だからこそ、本質に立ち返ることが求められます。企業は人の働く場所をつくり、人の役に立つことが原点です。労働を通じて、人は「生きる、暮らしを守る、人間らしく生きる」を企業の中で実現していきます。企業がこれらに取り組むことを明らかにしたのが「労使見解」です。同友会3つの目的を実践するため、労使見解から企業づくりの大切さ、経営者の姿勢の確立と覚悟、違いを認め合う精神が重要だと強調しました。

地域をつくる担い手に

また、自社の強みや顧客のニーズに応えて成長・発展をしてきた全国の会員企業の実践事例が報告され、参加者は自社発展のヒントになる視点を知ることができました。

これからは、他社や地域が良くなければ、自社も良くならない時代になっています。「中小企業は人をつくり、地域をつくる担い手で、中小企業の経営者が地域を経営する観点が必要」と松井氏は語りました。

最後は、「立ち位置の認識、企業分析(組織認識)、歴史認識、時代認識、地域認識」を参加者に期待することとして伝え、報告を締めくくりました。中小企業が常に厳しい状況であることは変わりありませんが、同友会理念を企業経営に落とし込んで実践することが、地域の振興や社員の幸せに繋がると確信できる会合となりました。