どうゆうき

▼社員教育の大切さは分かるけど、手がまわらない。企業がある程度大きくなってからやれば良い。とはいえ、「企業は人なり」です。経営者として悩むどんな問題を取りあげても、最終的には「人」によって決まるのだという結論に至ります

 

▼残念ながら、経営基盤が脆弱な中小企業には人材は容易に来てくれませんし、教育の機会にも恵まれません。一方で、当面の厳しい経営環境を切り抜けるために、「即戦力となる人材」や「儲けに直結する技術やアイデア」を求めがちです。即効的に人材は得られないとは知りながら、願望として求め続ける、これが偽らざる中小企業の現実です

 

▼教育の原点は「まともな人間」を育てるところにあります。教育基本法の第1条では、「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と教育の目的を明らかにしています。しかし家庭や学校がその機能を失い、中小企業にしわよせが及んでいます

 

▼だからこそ、求める人材を自力で育てる運動に取り組む必要があります。「社員教育」というと、「会社のために働く人間づくり」のように狭く考えられがちですが、そうではありません。個性あふれる文化の創造が実現できるよう、「激動の時代を共に人間として豊かに生き合っていく関係こそ大切である」と呼びかける。そして「労使が共に育ち合える土壌づくり」をめざし、これからも共に育つ共育活動に取り組みましょう。

 

共育委員長  丹羽 昭夫