「同友会らしい」(労使見解)
経営指針の成文化をめざす

経営理念の作成に取り組んだ実践編講座(5月11日〜12日)

学び合いを重視 実践編講座

愛知同友会では「同友会らしい黒字企業づくり」をテーマに、労使見解を軸とした経営指針に基づく経営の実践を目指しています。そのため、県全体で行う実践編と道場編の講座や、各支部で行われる指針オリエンテーションと入門編など、経営者のニーズに応じた幅広い学びの場を提供しています。

4月に開講した実践編講座は、受講者やOBスタッフ団による討議を中心にした、学び合いを重視した内容となっています。経営姿勢、経営理念、経営方針、経営計画、発表会と全5回、1泊研修を含む8日間の日程で開催。今回の5月11日〜12日は「経営理念の作成」に取り組みました。

カリキュラムは、「労使見解と経営理念とは何か」や、「社員との関係や社会との関係」を考え、自社の社会的役割を自覚するという内容です。

「指針作成の手引き」執筆者の奥長氏を招いて

生きる姿勢や仕事観を深める

経営理念が建前とならないために、自らの生きる姿勢や人間観、仕事観などを1人1時間以上の持ち時間で、何度も討議を深めました。宿泊交流会も、日頃なかなか話せない悩みや課題、経験を語り合うことができ、貴重な場との評価を受けています。

受講者からは、「考えさせられたのは社員への思い、そして自社の存在価値の見直し」「経営者と社員の自己実現について、よく考えた」「他社をマネした理念や言葉では社員に伝わらないと気づいた」などの感想が聞かれ、自らの本当の思いや生き方について議論が深められました。

一方、指針オリエンテーションと入門編講座は、各支部の状況に応じて取り組まれます。経営指針の作成率が低いため、「完成度」よりも「まず取り組む」ことを重視します。企業変革支援プログラムを追加して内容に厚みをつける支部もあります。

消費税増税やTPP交渉参加、加速度的に進む人口減少など、中小企業をめぐる情勢は、確実に激変していきます。科学性・社会性・人間性に基づく経営指針を実践し、確かな方向へ向かうことが必要となります。