グループ会活動レポート
主体的活動が源泉
〜1000社の企業訪問

地区グループ活動の一覧
地区グループ活動の一覧(2012年度) [PDFファイル]

年間2400を超える小グループ会合が

2012年度、愛知同友会(期首会員数3192名)では、基礎的組織である53地区のもとに、196の小グループが設けられ、このグループ会だけでも年間2400を超える会合が開かれました。これ以外にも経営指針など課題別の小グループもあり、すべて会員による自主運営となっています。

小グループ会の会場の半分は会員の会社で行われ、年間1000件を数えます。この企業訪問では、参加者が社内や工場内の雰囲気も感じながら訪問先の会員の報告を聞くことで、経営課題が身近になり、自らの経営に照らして、課題解決へ向けた意見交換を深めることができます。

1会合あたりの参加者は10〜15名で、近隣の企業や入会時の推薦者などもいて、よく知り合った関係であるため、討論がはずみます。

時代への適応

昨年発刊された愛知同友会50年史「道なきみちを」にも紹介されているように、愛知同友会の活動は時代に適応して行われてきました。それは創立翌年の1963年から組織が分割され、支部・地区・委員会などの改廃・新設が頻繁に行われてきました。

組織は一旦つくられると硬直的になりますが、会社の組織と同様に、時代の変化への適応が素早く行われてきた証しといえます。また組織が細分化されると、まとめ役のリーダーが必要となり、継続的にリーダーが輩出される仕組みともなっています。

このように愛知同友会の活力の源泉には自主的・主体的な活動が根底にあるといえます。会員の自主運営のため、組織の数は無限に増やすことができます。これにより、地域に網の目のように学びの輪が広がり、少人数で中身の濃い議論が深まっています。

 

グループ会活動紹介

千種地区−合同グループ会(7月10日)
切磋琢磨する

名倉 輝光氏  (株)フタバ造園

本業を生かした新事業創造を語る

フタバ造園の会議室で、千種地区合同グループ会を13名で開催しました。増強・経営指針などの議題を終えて、名誉会員である名倉輝光氏(フタバ造園)の報告が行われました。

フタバ造園では最近、ご子息が社長を引き継ぎ、名倉氏は会長となりました。名倉氏は「1年だけ代表取締役会長をやるが、後は社長の仕事。社長交代はマラソンではなく駅伝だと思っている」と、事業継承が順調に進んでいることを話しました。

ご自身は第3の人生を歩み、72歳にしてさらに、「農業職業訓練校」を立ち上げるといいます。経営者は生涯現役であると元気を頂いた会合になりました。

南地区−岡崎グループ(7月9日)
異業種の目で見る

市川 茂弘氏  (有)松岡製作所

報告実践の現場を見学

松岡製作所で開催されたグループ会はゲストも交えて行われ、例会の内容検討や報告事項等の確認の後、ミニ報告と近況報告に多くの時間を取りました。

会場の松岡製作所は、エンジン部品を製作し、納品したなかに1つでも不良品があると、すべてが返品されるという厳しい業界です。社員へも、不良品が発生することで社会へどのような影響が及ぶのか、図を用いて説明していると報告しました。

近況報告では、参加者全員が腹を割って語り、特にゲストに対しては経営課題を引き出しながら、親身に耳を傾ける姿が印象的でした。会員が異業種の目で会場の企業を相互に見ることも、「良い会社」「良い経営者」に繋がっていくのだと思います。

中村地区−松永グループ会(7月11日)
お互いを深く知り合う

柴田 明子氏  (株)サンぽぱい

報告をする柴田氏(中央)と熱心に聴く参加者

松永グループ会は、柴田明子氏の会社サンぽぱいで開催されました。柴田氏は、衣料品、雑貨販売をしており、今年1月に入会した新会員です。

グループ会では、店舗見学の後、参加者の近況報告と柴田氏の会員報告が行われました。

柴田氏は当初、お好み焼き店を開業し、衣料品店に転身。「客の求めているものをいち早く発見」し、問屋を走りまわっているといいます。「商売が好き」と語る柴田氏の報告は、消費者志向と柔軟な商売の形であり興味深く、グループ会ならではの詳細な情報交換がなされました。

グループ会は、会社訪問もできるので、お互いを深く知り合い、自社や他社の変化に気付づける大切な場となっています。