金融アセスだより(第81回)

確かな経営計画を

昨今、経済学者やマスコミから発信される情報には、かなり温度差があると感じます。経済成長を謳うアベノミクスですが、3本の矢として掲げられた(1)大胆な金融緩和、(2)財政支出、(3)成長戦略は、中小企業にとってどれだけ効果があったか疑問です。

日銀が量的金融緩和政策を打ち出した結果、金利が上昇し、株価も下がってきています。今年3月に金融円滑化法が終了し、少なからず影響の出始めている中で、今以上に借入がしにくくなると、中小企業には致命傷になりかねません。

円安になり、マスコミや政府は順調な景気回復を強調していますが、中小企業においては、コストが徐々に上がる一方で販売価格には転嫁できません。消費税増税を控え、駆け込み需要で上向く建設業を除いて、マイナス傾向にあることは、同友会で行った5月の景況調査の結果を見ても一目瞭然です。

7月20日の参議院選挙後の景気動向も気になります。私たちがすべきことは、製品力や営業力の強化に力を注ぎ、新たな仕事を作り出し、しっかりとした経営計画を立てて実践していくことだと思います。

 

カニエ電機(株)  蟹江 晃男