西尾張支部例会(8月20日)
同友会運動の歴史と理念
〜経営者の根底に必要な要素
赤石 義博氏 中同協相談役幹事

歴史から学ぶ同友会理念
西尾張支部例会では中同協相談役幹事の赤石義博氏を報告者に招き、「同友会運動の理念と歴史」というテーマでお話しいただきました。
冒頭、赤石氏は「原因のない結果はない。歴史を学ぶことは年号を暗記することではなく、事象の裏に隠された原因を探ること」と話します。赤石氏は社会体制に不審を抱いていたものの、時代は太平洋戦争に突入し、多くの人や物が失われた歴史を見てきました。そして、戦後、大企業優先・官僚統制の動きが活発になる中で、中小企業家が「言うべきことを、言うべき時に、しかるべき立場で言う団体」として同友会が発足したと、その経緯を説明しました。設立当初の理念は、現在も脈々と受け継がれています。
経営者としての責任と約束
現在では普遍的とも言える労使見解は、今とは比べようもなく労働運動が盛んだった時代に、経営者たちの凄惨な苦労の末に生まれ出たものです。赤石氏は、当時の背景に思いを馳せ、その内容を真摯に受け止め実践する必要性を強調しました。
労使見解にある経営者としての責任について、赤石氏からは「高卒から定年に至るまで、約40年の社員の人生を預かっている意識があるか」、また「経営指針作成は労使見解の具体的行動であるが、社員と共に生きた指針書を作れているか」との厳しい指摘もありました。
「経営者として最も大切なものは、責任と約束である」と、赤石氏は最後を締め括りました。参加者は、改めて自らの経営者としての責任と、その重要性に気づくことができ、今後の西尾張支部の飛躍が期待できる時間となりました。