障害者問題委員会(8月28日)
共に生き働く企業と社会へ III
磯貝 賢一氏 (株)大磯屋製麺所

幸せとはなにか
創業86年の製麺業の4代目を引き継いだ磯貝賢一氏は、昔ながらの製法を守る一方で工場の近代化をはかり、昨年には法人化、初めての経営指針発表会を行うなど、日々邁進しています。業界は、価格競争や後継者不在による廃業など厳しい状況ですが、同友会入会後は徐々に売上を伸ばしています。
経営理念「おかげさん〜感謝〜」には、「幸せとは、人に愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること」と入れています。これは知的障害者を雇用する企業に感銘を受け、人は働くことで幸せになるのだと実感したからです。
初めてのインターンシップ受け入れ
経営計画には障害者雇用を位置づけ、社員に少しずつ伝える中で、初めての養護学校インターンシップもスムーズに受け入れることができました。実習生はいつも笑顔で元気にあいさつをし、社員にもかわいがられていました。
彼には言われた通りに作業ができる特性があり、その力を生かす工夫をしました。例えば、麺の重量を量る仕事では、通常「140〜145グラム」と指示するところ「141、142、143、144グラムのどれかで良い」と方法を変えました。社員には、「彼が働けるということは、周りがより働きやすくなるということだよ」と、一緒に働くことの意味を伝えました。
インターンシップ終了後は、社員にアンケートをとり、実習生との出会いで新しい気づきが芽生えていることを実感しました。このように社員への信頼が一層深まる機会となりました。