第14期共育講座 第5講座(8月27日)
「人・命・働く」を考える

豊田 弘氏  知立機工(株)

経営者の姿勢を改めて問う

第14期社員と学ぶ共育講座(26社、77名が参加)第5講座、豊田弘氏の報告内容を紹介します。

共育は人間性から

私は、勤めていた会社を解雇され、29歳で独立しました。妻子を路頭に迷わせた経験から、社員やその家族を絶対に路頭に迷わせてはいけないと肝に命じました。リーマンショックの時も、銀行から「苦しいなら解雇すればいい」と言われましたが、「雇用を守るのは俺の哲学だ」と言い放ち、リストラは一切行いませんでした。

創業当初、競馬や多額の借金など問題を抱えた社員を愚かだと思いましたが、一番の愚か者は、そんな状態になるまで放っておいた経営者である私です。それから、「人・命・働く」をテーマに徹底的に討論する中で、少しずつ社内が変わってきました。

 

「人間ってなんだろう」と深く考えていくと、社員が物事の根幹に気づき、自主性が生まれてきます。その自主性を大事にするために、任せたら干渉せずに任せきることが大切だと思います。

常に本質を学び、答えのないことを追求し続けることが共育です。そして、共に育つというのは、まず経営者が姿勢を正し、自らの背中を見せることです。社員に堂々と背中を見せられる行動をしていますか。人間性を養えば、人は自ら育つのです。