農業部会(11月22日)
地域内連携による開発

大﨑 秀樹氏  (株)萬秀フルーツ

生産の現場を訪れ、大崎氏(右側奥)の報告を熱心に聴く参加者

「幸せ、笑顔」を提供

美浜町で国産グレープフルーツの生産・加工・販売を行う萬秀フルーツの大﨑秀樹氏より、指針に基づく経営体験と新しい事業について報告していただきました。

大﨑氏は同友会で学ぶなかで、「科学性・社会性・人間性」の3要素が備わった経営指針が農業においても必要と感じます。その後、地域や農業に対する先代の想いを引き継ぎ、会社の存在意義としての経営理念「おいしいものが食べたいすべてのお客様に おいしい柑橘を通じて『幸せ、笑顔』の時間・空間を提供する」を形にしました。

これを実現するためには、単に農産物を生産するだけでなく需要に合わせた加工・販売等、6次産業化による事業領域の拡大が必要と考えています。また、経験や勘に頼った従来農業では今後の継続・発展が難しいことから、農業未経験者のために作業のマニュアル化に着手。さらに新商品開発や雇用創出、人材教育体系づくり等、農業分野における企業化を進めています。

 

新たな取り組みには、ハウス栽培用ヒートポンプ導入による省エネ化や、繁忙期と閑散期の仕事量を平準化するための、加工品の製造・販売や果樹オーナー制度等があります。今年は、地域性の高いものを提供したいとの想いから、同友会の仲間と一緒に「グレープフルーツシャーベット」をつくりました。

時代のニーズ「人と自然にやさしい」を踏まえながら、今後も地域事業者と連携し、高付加価値商品の開発を進めていきたいと語る大﨑氏。国内流通グレープフルーツのほぼ全てが海外産である中、国産品で差別化を図る取り組み等、新しい可能性を感じた報告会でした。