中部経済新聞−新春座談会(12月18日)
経済の好循環が起こる年へ

黒字企業づくりについて意見交換する

中部地域の景況

新春の恒例、中部経済新聞社の新春座談会の取材が行われました。この企画は、2003年より始まり12回目を数えます。2014年の座談会は、加藤代表理事、青木副代表理事、豊田副代表理事と、中部経済産業局長の山本雅史氏の4氏に集まっていただきました。座談会のテーマは「黒字の秘訣は人育てから」で、愛知同友会の県方針の「同友会らしい黒字企業づくり」に結びつくものです。

まず山本氏より、中部地域全体の景況をどう見ているか、そして2014年の展望が語られました。景況は政策の効果や円高の是正で輸出産業が好調な反面、層の厚い中間層が増えるに至っていない見通しが語られました。また、個人消費や設備投資に明るい兆しが見られるが、消費税の引き上げは懸念材料であり対策を講じていると述べました。

黒字の秘訣は人育てから

次に中小企業の実態について、加藤氏は、千差万別でまとめて説明するのは難しいこと。中小企業は景気の動向に左右されやすいというが、規模が小さく市場占有率が小さいため、自社の経営戦略次第では、売上が倍になることが可能だと自社の事例を例に説明しました。

2014年度に重視したいポイントで青木氏は、雇用実態に注目して、就業規則の有無、雇用契約の締結、労働時間など労働条件に納得して働いてもらっているか、社員が声を上げても不利益にならないかなど具体的に調査し、それを会員と共有したいと述べました。

豊田氏は人づくりについて、「社員と共に」「地域社会と共に」が同友会の理念であり、「社員は宝物」「地域の住民は宝物」と考えていること。その大前提が雇用を守ることで、戦略を練って黒字企業にして雇用を守り、給料を上げ、それが消費に回り、地域内で循環していくという形が理想だと語りました。

最後に山本氏より、黒字企業を増やすのは容易ではないが、行政でも創業や新事業への支援、技術開発に対する補助金の充実で経済の好循環が起こる年になることを期待したいとまとめがありました。