名古屋第3支部例会(1月14日)
日本経済と中小企業の未来を占う

〜大きな経営環境の変化に、どう対応すべきか

永井 晶也氏  (株)名南経営コンサルティング

報告者の永井晶也氏

楽観ムードに警鐘

今年4月の消費増税が間近に迫るなか、中小企業を取り巻く経営環境が大きく変化することは間違いないでしょう。そこで、直面する課題に対応するために、今後の展望と危機を確認し、いかにチャンスを作り自社へ活用・進化させるかを、名南経営コンサルティングの永井晶也氏の報告から学ぶ場として、名古屋第3支部例会を開催しました。

まず永井氏は、アベノミクスで景気が良くなったという点はまだ雰囲気でしかないこと、景気回復の兆しから消費増税も「なんとかなるのではないか」と思っている人が多いことを指摘しました。しかし、消費税の増税では消費が冷え込むのは明らかで、消費者が少しでも安い価格で買おうとする傾向に拍車をかけるといいます。併せてスマートフォンやタブレットの普及により、それらを利用した個人取引も増加し、今までの消費構造を根底から変えていくのではないかと話しました。

成長企業の共通点

また、TPPや事業継承問題が本格化することが挙げられ、そのなかで私たち経営者は自社を取り巻く環境を理解し、適応していく必要があります。競争環境がさらに厳しくなるため、今後の変化へ向けた準備もしていかなければなりません。永井氏はマイケル・ポーターの「自社の競争環境を決定づける5つの力(ライバルとの敵対関係・新規参入・供給業者・顧客・代替品の脅威)」やSWOT分析などを用いて、経営者自身がそれらを基に自社を分析と把握をし、今後の経営の方向性を定めることの大切さを語りました。

多くの企業を見てきた永井氏は、厳しい経営環境でも伸び続ける企業の例として、経営理念やビジョンが明確であり、それに誠実に向き合って行動する会社、組織の重要性を理解し、人を生かす経営を実践している会社等を挙げました。また、永井氏自身も経営者として自社の歴史に触れながら、会社がどのように変わってきたのかを紹介しました。

最後に「どの業界でも新商品開発を行うこと、営業によって売れる仕組みを作ること、組織を強化して将来を担う社員を育てていくことが、厳しい経営環境のなかでも成長企業となる鍵である」と永井氏は締めくくりました。