第15期役員研修大学(5月19日)
同友会運動の歴史と理念

赤石 義博氏(中同協相談役幹事)

赤石 義博氏

結果の前に原因あり

中同協相談役幹事の赤石義博氏を迎え、「同友会運動の歴史と理念」をテーマに役員研修大学オープン講座が開催されました。

初めに、「原因のない結果はない」との考えの下、同友会が生まれるまで、また労使見解に至る経緯を報告いただきました。

明治時代から、日本では重工業や大企業が政策の軸に据えられ、中小企業は顧みられませんでした。そうした情勢に疑問を覚えますが、戦争に慣れたことで国民は考えることを放棄し、第2次世界大戦が勃発します。その反省から、「中小企業の正当な努力が正当に報われる社会」を「云うべき時に、云うべきことを、云うべき立場で」作っていく同友会の根本の考え方が生まれ、現代まで引き継がれてきました。

労使見解は「真実」

敗戦の結果、日本の工業力は十分の一となり、復興の名の下、再び大企業中心の政治が始まります。中小企業は資本や人材に乏しく、労働攻勢に翻弄される過酷な環境です。

その様な中、会社や社会をより良くするために、またそのための「全社一丸体制」をとるためにはどうすべきかを真剣に議論し、労使見解が生まれ、「経営に真摯に努力した先人が汗水流して見出した真実と経験が込められている」と、赤石氏は強調しました。

最後に、同友会は中小企業のために良い「結果」をもたらす「原因」となる行動をとる会であること。ただ存続・参加するだけで満足していないかと警鐘を鳴らしつつ、「社業を通じて労使見解や会理念を理解し、社員の生活を保障し、人を生かす経営を実践してください」とまとめました。会と自社の目的を見直し、社内での経営者の責任を気づかされる講座でした。