第17回 女性経営者全国交流会 in 熊本(6月12日・13日)
【第5分科会】誰もが活躍できる企業づくり

鋤柄 修氏    (株)エステム 代表取締役会長
塩崎 敦子氏  (株)エステム 取締役

6月12日・13日に熊本で開催された女性経営者全国交流会の第5分科会にエステムの鋤柄修氏と塩崎敦子氏が報告者として登壇しました。以下に概要を紹介します。

鋤柄修氏

創業以来の方針「男女は平等に扱う」

幼少期から女性が懸命に働くなかで育った私(鋤柄氏)は、「性差・年齢に関係なく、誰もが平等に扱われ、誰もが活躍できる会社をつくろう」との想いで、男性中心社会であった1970年に創業まもないエステムに入社します。90年頃には賃金体系と評価制度を男女同様にし、さらに性差を考慮するため、全社員が安心して働き続けられる制度づくりを当事者の女性社員が中心となって進めてきました。それは、女性が出産や育児で仕事との両立が困難という理由で退社せざるを得ない会社になってはいけない、という考えが根底にあったからです。

塩崎敦子氏

社員が自ら制度化

当社には「育児休職制度」「育児時短制度」「限定社員制度」「カムバック制度」があります。これらは、ある事情によって退職しなくてはならない、こんな理由で働きづらいといった社員の不平・不満を解決するために、社員自身によって考案、制度化に至ったものです。どうしたら気持ちよく、そして長く働けるのかは、当事者である社員本人に考えてもらう他ありません。

ちなみに、女性の出産・育児は数カ月も前から分かることなので、組織で計画的に対応することができます。しかし、男女に差をつけないというのは、女性を優遇することとは違います。女性ばかりが活躍できるのではなく、性差に関係なく誰もが活躍できる会社を目指すこと。そして、全社員に「ずっと勤めたい」と思ってもらえるような会社づくりが必要です。

社員の個性を育てる

では、経営者は何をするのかというと、言動を一貫させることが大切になります。当社が男女の別なく全社員が活躍できる風土になったのは、創業当初から目指している会社像を経営者が一貫して言い続け、女性にも男性同様に責任ある仕事を任せてきたからです。

また、経営者は社員の個性にも注目しなければいけません。気が強いのか弱いのか、几帳面か大雑把かといった特徴の方が、仕事を任せる上で性差以上に意味を持ちます。ですから、社員一人ひとりの個性を見て、それを育てることが重要なのです。

最後に、「会社組織には、皆の個性を生かし相乗効果で新しい何かを創り続ける目的がある」と塩崎氏はまとめました。