労務労働、障害者問題委員会 合同学習会(8月18日)
同友会の一丁目一番地

杉浦 昭男氏  真和建装研究所(有)

本質を学んでいるかと問いかける杉浦氏

人を生かす経営

労務労働、障害者問題の両委員会に所属する杉浦昭男氏は、「同友会はりっぱな経営者になるために学ぶ会であり、利益や売上を上げる学びの場ではない。今、その本質が学べているのか」と問いを投げかけました。

全国会合で耳にした「良い給料さえ渡せば放っておいても社員はがんばる」「やりがいさえあれば安い給料でもついてくる」という両極端な2つの考え方に、杉浦氏は違和感を覚えました。どれほど社員と深い信頼を結んでいても経営者との間には埋まらない溝があり、そこに賃金が挟まっています。経営者は安く抑えたい、労働者は多くもらいたい、その考え方の違いから労使関係が対立する中、同友会の創立者は労働条件を第一に考える道を選びました。

社員の労働条件を真剣に考える労務労働委員会は、同友会の「へそ」であり、信頼を築く実践の中で生まれたのが、共に育つという考え方です。雇用を守り続けることは、意気込みだけではできません。

会社には社長権限があり、社員は言いたくても言えないのが実情です。その中で、同友会の経営者は労働条件を考え、いつも社員と共にあろうとしています。だから、労使見解と共育は「同友会の一丁目一番地」であり、人間尊重ならば障害者もそこに位置付くはずなのです。

自社を通して夢や希望を

この社会は、いろいろな条件を抱えた人と一緒に生きていかねば成り立たず、経営者は社員の幸せを考えることが第一です。金融機関から資金調達ができた時、真っ先に「大切な社員を失わずに済んでよかった」と心底思えたでしょうか。経営課題が「人を生かす経営」と切り離されていないかを常に問うことが必要です。

同友会のめざすものは、「自社の社員と共に企業を永続発展させ、やがて社会を支えるという重大な責任を果たすこと。社会を支えるとは、自社の社員を地域に輩出し、納税と雇用を果たし、そして地域の子どもたちに自社を通して夢や希望を与えること」と言えます。ものごとの本質を学び、社員を巻き込んで本気で実践する生き方、あきらめないで委員会のテーマを追求する姿勢が問われます。