第15期共育講座第5講座(8月29日)
互いに理解し安心して働ける会社へ

吉田 幸隆氏  エバー(株)

吉田 幸隆氏

第15期社員と学ぶ共育講座(35社、93名が参加)第5講座、吉田幸隆氏の報告を紹介します。

何のために働くのか

私は浪人、留年、サラリーマンを経験し、2代目としてエバーに入社しました。同級生に負けたくない、親父に認めてもらいたいとの想いが人一倍強くありました。

リーマンショックまでは右肩上がりで、仕事をこなすために雇用していました。忙しさなどの不満から辞める人間もいましたが、私は社員をあてにせず、できる人材を探しました。殺伐とした雰囲気の中で社員の怒りは募り、ついに爆発してしまいます。

私はリーマンショックにより危機的状況にあることを打ち明け、やるべきことを話し合いました。経営者と社員という立場の違いを理解してもらった上で、社員の声にも耳を傾けるようになりました。

ようやく危機を乗り越えた矢先にリコール問題、東日本大震災が立て続けに起こります。何のために会社を存続していくのかと頭を抱えていた時、社員が自ら目標を掲げ、一歩ずつ前進しようとする姿に勇気をもらいました。そして「意見の言い合える会社、ものづくりの会社として技術力を高めていく」というビジョンを掲げ、人生設計を描ける会社をめざしました。

社員の働きがいは、お金だけでなく、質の高い仕事をすることにあります。その環境を意識的につくるのが経営者の責任です。社員と苦楽を共にし、一緒に働きたいと思えるような関係を築いていきたいと思っています。