政策委員会
中小企業憲章理念に反する課税強化に反対します(3)

根本的な議論を

政策委員長  和田 勝

和田 勝氏

中小企業への誤った考え

不公正な課税強化に反対する署名運動が佳境を迎えています。

来年度の法人税改正に向けた議論が、税制改正の大綱をまとめる与党税調に移された途端に、政局をにらんでか、中小企業への外形標準課税拡大の先送りや赤字大企業への課税強化、それに対する牽制の動きなどさまざまな推測報道がされています。政治というものはいろいろな思惑が交差するといえます。

私たちが今回の行動を取った理由は、中小企業に対する誤った考えへの怒りです。政府税調の議論で度々発言されたのが、中小企業における欠損法人の多さや、産業の新陳代謝の促進などです。

中小企業の利益率の低下や自己資本比率の大企業との格差拡大、そして欠損法人の増加は、グローバル化の動きと連動しています。中小企業の海外進出も進んでいるとはいえ、圧倒的に内需型の企業が多く、外需中心の政策ではマイナス影響も大きいのです。

中小企業憲章の閣議決定は、グローバル経済での国際市場による混乱や、進行する地域経済の疲弊の克服に向けた中小企業を柱とする新たな戦略だったはずです。そうした政策も行わないままに、「欠損法人・新陳代謝」といった発言が出されることは、まさに「中小企業憲章の理念に反する」ものです。

同友会の活動の特徴は、地道に根本的な議論を繰り返すことにあり、主体的に考え行動に移すことです。それ故、私たちは、政局の動きに惑わされず、確実に10万筆署名で改正を阻止し、公正な税の議論を興す必要があるといえます。