男女共生委員会(9月5日)
中小企業が「命綱」 〜介護問題と経営の関わり

春日 キスヨ氏  臨床社会学者

春日キスヨ氏

避けて通れない課題

男女共生委員会では、介護問題は人口減少・少子高齢化の社会の姿が鮮明になる中、中小企業が柔軟で多様性ある働き方をつくる時に避けて通れない問題と考えています。そこで、あいち経営フォーラムの分科会でも報告いただく春日キスヨ氏を招き、学習会を開催しました。

介護問題は、社員が「知られたくない」と抱え込みやすく、会社は把握しづらい一方で、その問題を抱える人には介護以外の場である職場の有無が、生きる活力に関わります。その意味でも中小企業は命綱で、介護経験がなくとも経営者が知っていることで最初の対応が違ってきます。また、それによって会社の将来も当事者の人生も大きく道が分かれることが、事例と共に報告されました。

参加者からは「協力会社の社員が家族の介護で現場に出られず困った」「親の介護をして働く50代の社員がいる。社員は三十代が多く、やがて次々と介護問題が生じるのではないかと心配」「家族の介護をしているが、社長だから可能だと実感している。誰もが介護で休める環境づくりが課題」など、各社の現状や問題意識が交流されました。

男性も女性も働きやすい企業づくりでは制度や仕組みの問題だけではなく、それらが生きる「企業風土」が要となることを、改めて確認し合いました。