第15期共育講座 第6講座(9月26日)
共に育ち合う企業づくり

磯村 太郎氏  (有)サン樹脂加工

熱く語る磯村氏

第15期社員と学ぶ共育講座(35社、93名が参加)第6講座、磯村太郎氏の報告を紹介します。

社員の声にハッとして

自社は、プラスチック樹脂の切削加工や機械加工をしています。

父が創業した会社に27歳で入社しました。若い人を雇用しなければ先行きがないと感じ、採用活動を始めました。入社から10年、業績も順調に伸び、新工場を建設し、新たに3名を雇用するも、次々と退社しました。

それなりの給料を出していれば社員は満足すると思いましたが、「仕事は楽しいが、ここで働きたくない」「この会社にはめざすものが何もない」と言われ、人を採用して経営する理由が分からなくなりました。

「経営指針を作ればなんとかなる」と思い必死に作りましたが、発表だけして机にしまい込みました。自分で作っておきながら、腹に落ちていなかったからです。

ある日、共育講座に参加した社員に「経営指針はどこにありますか」と問われ、経営指針講座に再挑戦しました。当時はリーマンショックの真っただ中でしたが、新卒採用にも取り組みました。学生に自社を説明するうちに、経営指針が自分の腹に落ちる経験をしました。

幸せになるために

育った環境も価値観も異なる私たちは、人との関わりの中で人間的にも成長していくものだと思います。しかし、「価値観が違う」という線引きで、関わり合いを避けることが多くなっていると感じます。

以前は自分だけの幸せを考えましたが、いろいろ学ぶ中で、私の幸せは「社員が自社で働いて良かったと思えること」になりました。これこそ、経営者の醍醐味です。

社員は子どものような存在でしたが、パートナーと考えられる社員も増えました。今後は社会の役に立っていることを実感できる会社にしたいと思います。この講座は、経営者が気付き、変わる場所です。綺麗事でなく本気で良い会社にしていきましょう。