金融アセスだより(第96回)

金融機関の変化

私は金融委員会に参加するようになってから、金融機関の担当者の方に月に一度、弊社へ定期的にお越しいただくようにしています。

弊社は不動産業ですので借入の場合はまとまった資金が必要なのですが、常に借入残高はあるとはいえません。しかし、いざという時の関係づくりは必要です。私の場合は、個人のお金で「定期積み金」を行い、その集金に来社してもらっています。現在は2つの信用金庫とそうした取引をしています。

先日、同友会の仲間との雑談から湧いてきたちょっとした思い付きを、金融機関の営業担当者に話しました。すると、すぐにその事業に関するリスクや先行企業の事例・事業性などを事細かく調べ、教えてくれました。「事業にするにはリスクが高い」ということで、それ以上進展することはない内容でしたが、コンサルティング担当者にも来社してもらって丁寧な説明をいただきました。

この時の積極性は、かつての金融機関のイメージとは大きく異なり、驚いたのを今でも覚えています。

金融庁の出している監督指針の一番目の項目には「金融機関によるコンサルティング機能の充実」が記載されており、金融機関も積極的に取り組んでいます。

日銀の政策で大胆な金融緩和を実施しても、貸出先がなかなか見つからないと言われています。そのようななかで、金融機関は貸出先をよく理解し、貸せる状態にして貸し出しを伸ばす、という方針が進んでいるようです。

彼らと普段から接するなかで、リレーションシップバンキングのあるべき姿に近付いていると感じました。

 

安藤不動産  安藤 寿