第4回名古屋学(10月28日)
事業化ヒントと発展要因

安保 邦彦氏  愛知東邦大学地域創造研究所顧問

「今も昔も創意工夫を凝らした経営が発展・成長に繋がる」と安保氏

県内老舗の事例に学ぶ

名古屋学は、昨年度から、名古屋市内の5つの支部が合同で「市の中小企業振興基本条例を生かした企業づくり・街づくりを進めるために、もっと名古屋を知ろう」と開催しています。今年度は3回にわたって「名古屋の産業史を学ぶ連続講座」を愛知東邦大学の安保邦彦氏にお願いして開催しています。

第2講座の今回は、「事業化へのヒントをどうして得たか、またそれを発展させた要因は」のテーマで、愛知県内の老舗企業数社の事例を学びました。

現在は愛知を代表する老舗となっている企業も、創業・事業化のきっかけや発想は様々ですが、他地域で見聞きしたり、知人から得たりした情報、時代の環境変化などによって最初の商品を生み出していることが共通項として挙げられます。

本業への固執で弊害

長い社歴の中で、最初の商品から関連商品を次々と開発したり、外部資源を積極的に取り入れたり、培った技術を他に応用したりするなど、経営に創意工夫を凝らして成長・発展してきました。例に取ったある企業では、年間総売上のうち、創業当初からの商品が占める割合はわずか11%です。

一方で、過去に栄華を誇った大企業がその本業に固執し、それが弱みとなって凋落した事例も紹介されました。

後半の質疑応答では、「起業家に必要な資質は何か」「一度凋落した大企業に復活の芽はあるか」「次に成長する産業は何か」などの質問が出され、長年にわたって名古屋の産業を見守り続けてきた安保氏ならではの視点でアドバイスを頂きました。