金融アセスだより(第97回)

未来につながる融資

弊社の財務状況からすれば、日々の業務活動において、金融機関からの融資はなくてはならないものだと言えます。

融資と一口に言っても、その用途は様々です。創業資金や、売上アップに乗じての運転資金、更なる成長を見越した投資や、業績悪化による損失補填など、同じ融資でもその性質によって企業の未来が変化するのも事実です。

市場や商品の多くは、挑戦→成長→成熟、そして衰退という軌道を描きます。こうした流れの中で、融資を受け、その効果が最大限に発揮できるタイミングは「挑戦から成長」までの僅かな時期しかありません。成長期にいかに売上を伸ばし、利益を確保できるかが要になるのではないでしょうか。

常に多くの剰余金を流動性の高い状態で保有し、適切な時期に投資していくことができれば理想的ですが、それには一定の時間が必要です。

トレンドを逃すな

市場と価値が急激な変化を繰り返し、長期的な経済情勢を読み解くことが難しい昨今の状況を考慮すれば、潤沢なキャッシュがなくとも融資という手段を使い、ポジティブに資金を投下することができます。そのためには健全な財務体質を計画的に作り上げ、融資を受けた際のバランスシートを常に想定することで、必然的に会社を成長させることができるのだと思います。

先述したように、市場や商品にはトレンドがあります。そして人の心は移ろいやすく、トレンドがどれだけ続くかはなかなか予測できません。だからこそ、融資の効果的な活用によって商機を逃さず利益を得ることが必要なのです。

国内の強い需要は今後もまだらな状態が続き、一過性の連続が景気を下支えしていくと思います。その市場を捉え続けるためにも、自社の財務体質が適正であるかを今一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

(株)アートフレンド  近藤 正人