中京大学企業研究所シンポジウム(10月23日)
中小企業の運動と政策

石渡 裕氏  中同協政策委員長/神奈川同友会代表理事
和田 勝氏  中同協政策副委員長/愛知同友会政策委員長

右から和田氏、石渡氏、コーディネーターの寺岡氏

反動減、回復せず

中京大学企業研究所主催で「中小企業運動と中小企業政策」と題した公開ミニシンポジウムが開催され、中京大学教授の寺岡寛氏のコーディネートのもとで、石渡裕氏(神奈川同友会代表理事)、和田勝氏(愛知同友会政策委員長)が登壇しました。

石渡氏からは、9月に行われた「消費増税・税制に関するアンケート調査」、DOR(2014年7〜9月期)に基づき、中小企業の実情が報告されました。とりわけ消費税率8%実施後の景況感の変化の予想と実際のギャップなどから、中小企業にとって、安倍政権による経済政策(アベノミクス)の効果は極めて限定的であることが指摘されました。その上で、豊かな国民生活の実現、中小企業の活性化には、中小企業憲章の具体化や内容実現が不可欠であり、その正当性が明らかにされました。

和田 勝氏

中小企業運動は社会を変える

和田氏からは、金融アセスメント法制定運動、中小企業憲章、中小企業振興基本条例の制定運動、さらに現在取り組んでいる「中小企業憲章」に反する不公正な課税強化に対する反対署名運動を実例に取り、次の3点が強調して報告されました。まず、同友会の政策運動は、要求・要望に留まらない提案型の運動であること。また同時に自らの企業経営への問題提起も行い、常に企業家自らが襟を正して取り組んでいること。そして、すべての運動の出発点が日常の経営実践の現場にあることです。

フロアの参加者を交えた議論では、中小企業経営の現場から見た地域金融の実態や、「中小企業憲章」を生かした具体的な運動展開の展望などについて活発な議論が行われるなど、同友会の政策運動の新たな一歩となるシンポジウムとなりました。