第15期共育講座 第7講座(10月24日)
共に育つ実践物語

豊田 弘氏  知立機工(株)

グループ発表する参加企業の社員の皆さん

第15期社員と学ぶ共育講座(35社、93名が参加)第7講座、豊田弘氏の報告を紹介します。

共育は人柄づくりから

勤めていた会社を解雇された経験から、社員やその家族を絶対に路頭に迷わせてはいけないというのが私の経営哲学です。

創業当初、様々な問題を抱えた社員を馬鹿野郎と思っていましたが、一番の馬鹿野郎は私自身でした。

我が社の長所、短所を出してもらうことから全体会議を始め、「人・命・働く」をテーマに人間性を磨く場にしてきました。テーマが難しいとの意見もありましたが、「難しいから考えてほしい」と根気良く続けて22年になります。

人間は、枠にはめられて生きていくような薄っぺらいものではありません。テクニックやノウハウでは成長しないのです。物事の本質を深く考えることで社員が気づき、自主性が芽生えてきます。

社長と社員が一緒に学ぶ講座

根を養えば樹は育つ

会社は、社員が主役です。任せたことは任せ、干渉せずに一人ひとりの自主性を尊重していけば、人は必ず生き生きします。「教える」ことより、考えることで「気づき」を得る場面をたくさんつくることが大切だと思います。

自ら考え、指針に基づいた判断をしてくれる社員がいてくれることが私の誇りです。経営は会社経営と人間経営のバランスです。社員に想いを馳せ、人間を考えるなかで、よい会社はつくられます。

「共育」は答えの無いものを追い求めていく難しいことですが、社員をどうにかしようとするのではなく、まず経営者自らが姿勢を正し、堂々と自分の背中を見せることが必要です。その上で、社員が自分の足で歩けるようにしてやることが、共育だと思います。根(人間性)を養えば、樹(社員)はおのずと育つのです。