(W)会員の経営発展に役立つ同友会づくりをめざす(組織方針)
(1)支部は総合活動の舞台になることをめざす
活動を整備し、三つの目的を意識した支部活動をすすめることは、支部が同友会理念の実現をめざす総合活動の舞台になることを指しています。支部の日常活動で基本になる考え方は、●地区の実状を正確に把握し、地区や会員の意見を吸収する役割を果たす。●政策提言など地区をリードする役割を持って活動し、支部はその活動を充実させることを通じて地区の活性化を支援する。●同友会理念にそって地区活動をすすめるため、会の方針を地区に浸透する。●本部と役割分担して、研究会・個別事業活動に力を注ぎ、本部の計画を実行する。等をめざします。
(A)支部総会
支部総会は毎年三月に開催することにし、全県の活動方針や支部の活動方針を充分議論して、県の定時総会を準備します。支部総会では、●県の総会議案を紹介し、活動方針の方向性をめぐる疑問点についても充分議論します。●支部の経過報告、決算を承認します。●支部の活動方針、計画、予算を承認します。●支部の新役員を選出します。●各地区の活動経過と決算を承認します。●各地区の活動方針と予算を承認します。等を実施します。但し2000年の支部総会の開催については調整します。
(B)支部例会
支部は年間数回、会員が地区の垣根を越えて勉強・交流する支部例会を開催します。支部例会では同友会らしく会員相互の学び合いができるように工夫して準備します。支部例会の講師は会員経営者の経営経験の報告を基礎に、これまでに例会づくりで試されてきた例会準備を徹底して実践します。そのことによって参加した会員は学び合いに新たな知恵を得ることができますし、会外からのゲスト参加者も共感や感動を共有することができます。
支部例会は、その準備、当日の運営、まとめ等の各段階で、各地区の参考になる活動づくりをめざします。また参加各地区は支部例会の実行委員会に地区の役員を派遣して必要な例会準備のあり方を学ぶ場にします。
(C)支部役員会
支部活動を中心になって推進するのが支部役員です。支部役員会は支部長・副支部長や支部幹事等で構成されており、同友会理念(三つの目的、自主・民主・連帯の精神、国民や地域社会とともにの考え方)の総合実践をめざしており、地区会長にとっては疑問解決と意見交換の場でもあります。支部役員会の役割は、●支部例会など支部事業計画、予算の提案、実施。●支部事業報告、決算の提案。●支部「研究会」の提案、承認、運営支援。●新会員オリエンテェーション・役員研修会等の開催。●会員増強の推進と、入会者・退会者などの確認。●地区事業と地区の予算・決算の検討。●次期正副支部長の推薦等です。
支部役員会や役員研修会では役員の役割、同友会運動のあり方等について実践と検証を重ねます。
(2)支部の再編成を進め、名古屋、尾張、三河の三支部に編成する
支部活動の改善は、これまでに述べてきたように「地域経済・社会を視野に入れた活動展開」を進めるために、地方自治体を意識した支部の再編成を手がけます。「名古屋支部(1300名)」「尾張支部(500名)」「三河支部(400名)」等、行政単位を基礎にした編成にし、2000年4月からの実施をめざします。運営上は支部をさらに細分化したいくつかの単位に分けた活動母体を考えます。その具体的な「区割・地域設定」は支部長会議の協議に基づいて提案します。
(3)顔と会社が見えてくる地区活動、良い例会づくりをめざす
地区は会員にとって最も身近な同友会への参加の場であり、同友会活動そのものです。報告・学習・実践・環流・検証という同友会らしい学び方に気軽に参加して、経営者としての役割を学び合い、問題解決のヒントをつかみましょう。会員が気軽に参加して学べる良い例会とは、●役員会が会員の関心や報告者の報告内容をよく練り合わせて、学ぶポイントを整理する等、準備しましょう。●当日は参加者の一人ひとりが発言できるように配慮して、参加したら必ず何かを持ち帰ってもらうように、グループ討論で進めるのも良い方法です。●例会の最後には必ず同友会らしいまとめを行い、参加者が同友会で学び合うことに確信を持てるように配慮しましょう。等です。最近は新しく入会してくる方々の約八割が、一度同友会の会合に参加してみて、というワンゲストの入会です。良い例会づくりの配慮は必ず新しい仲間を迎える決め手になります。また、地区役員会は例会のテーマ、例会で学ぶ報告内容や討論の内容などを検討し、役員自身の経営実践を踏まえた経験交流の場にすることが重要です。支部の再編成に続いて地区の再編成が計画されています。会員は会社所在地か自宅の所在する地区で活動すること(現在の「活動の手引き」で表現)を基礎に、行政地域に対応した地区編成と会員の地区所属(現状は約4割が無関係に所属)を再編成します。実施に当たっては在籍会員の意思を尊重して進めます。
(4)委員会・部会・青年同友会の活動
委員会は「専門的な課題を継続的に追求することによって、中小企業の戦略的経営問題を解決することを中心に、同友会理念を深め、また実践活動を総括して全会員に還元する同友会運動のスタッフ集団」です。今年も同友会では経営・政策・広報・共育・共同求人・労務労働・障害者問題・地域活性化・情報ネットワーク・技術開発の10委員会が活動します。特に各委員会の長は従来理事会のスタッフとしての役割をもっと広げ、それぞれの活動分野における同友会運動の意義を考え、戦略的に同友会を広げる役割を担います。同時に支部の「研究会」の支援をはじめ、支部とも密接に関わり合いながら、支部や研究会の要望に応える委員会活動を進めます。「女性部会」は経営に携わる女性(女性経営者や経営者夫人)が、経営における自らの役割と課題を明確にし、その責任を果たすべく研究、交流し、実践します。「青年同友会」は設立から30周年を迎えます。青年経営者は企業と同友会運動の次代を創造するという視点でとらえ、時代の要請に応える青年経営者の育成を重視します。大学経済学部との共同セミナーは、委員会の協力を得て内容的により充実した「産学共同セミナー」を準備し、ここでも継続的な研究活動への発展を考えています。
(5)役員の任期を2年以上(毎年改選)として、活動の安定発展をめざす
同友会規約・第九条「役員任期」の改正が、今回の総会から施行されます。毎年開催される総会で役員が交替し、運動の蓄積ができない状況を改善することが大きな目的です。今年度から一斉にスタートすることによって、逆に会の役員が総替わりすることも運動にとっては大きな打撃になりますので、「最初の任期を2年とし、2期目以降は毎年改選」として毎年の総会で行うこととし、理想的には半数以下の役員が改選されるように実施します。地区会長や副支部長については、支部役員として活動する年月を通算で2年という経過措置にします。安定して発展する同友会運動を展望して、役員任期2年の体制へのスムーズな移行にご協力下さい。
(6)運営費と参加費を区別して運営、会費は今年も現状据え置きで進める
同友会の会費は月額6000円の現状を据え置きで運営します。現在の会費は1988年に会費が値上げされた以後のもので、経費節減の努力によって11年間維持してきました。今年度から「会費は運営費」「運営費と参加費は区別する」という考え方を財政運営の基礎とし、会員が負担している会費は「運営費」と考えます。従って地区役員会や例会のために公共会場を使用する程度の会場費は運営費として準備されますが、例会食事代や資料代等はその都度の参加費で賄われることになります。地区によってはこういった参加費を年間で徴収する傾向も表れますが、それは二重会費と誤解されますので、同友会では実施しません。これまで年間運営費を徴収してきた青年同友会も今年度からこれを廃止します。当年度の予算管理や財政運営については財務委員会が担当しますが、「現在の会員数で運営できる会財政」を目標にした、中長期の会財政のあり方や将来像については特別のプロジェクトで検討を重ねます。
(7)新たに400名の新会員を迎えましょう
会員が紹介して同友会の会合に参加し会活動の良さを知って入会する、「ワンゲスト」の紹介が近年入会者の8割になっている状況の中では、知り合いを広くお誘いすることが重要になりますので、支部増強本部を中心にした会員の紹介を広げます。また、会が中小企業情報や話題を提供することによって知られる会になり、新しい経営者が参加してくる「戦略増強」の考え方は、年月を経た地道な積み上げによって構築されるものとして重要になっています。「99同友会ビジョン」は5年後3000名の同友会を展望していますが、その第一歩としての今年度は400名の新会員を迎えます。
(8)事務局の役割を見直し、事務局活動の改善・強化をめざす
三千名の同友会は事務局活動も会員の期待の広がりに応えて変化することが求められています。事務局の活動の方向性として、これから活動改善が進行する支部や地区を支える「日常活動支援」の他、会員経営者の経営課題に応えて推進する「自立型企業支援」や、会員の企業経営や同友会運動を長期的な視点で研究する「企画部門」等を設けて、会員の経営体質強化をサポートできる体制整備をすすめます。永年にわたって議論してきた専務理事体制等、2000年4月からの新体制導入を前提にして、1年間の課題研究をすすめます。
事務所問題については、新しい支部構想を展望して現在の本部事務所の移転と、新しい地域事務所の設置を検討します。
(9)これからの発展をめざす、協同組合と研究財団の活動
会員の共同事業の期待を担っているのが「中部同友会協同組合」です。一昨年から名称を「中部」に改め、中日本の同友会に参加を呼びかけ、現在では愛知300社、他県30社に広がり、新たに三重県から理事を選出しています。協同組合ではガソリンの共同購入、コンピュータの共同利用、高速道路の料金後納制度、企業情報検索サービス等を事業化していますが、これからは会員の事業の共同化・協業化をはじめ新たな組織体構成に向けての要望を集めています。また「愛知県中小企業研究財団(任意団体)」は会外の学者や研究者の力を借りて、中小企業のための戦略研究に当たりますが、同友会35周年記念事業の「研究会活動助成制度」対応や2001年の「研究会活動報告集(仮称)」作成を準備します。