写真提供 井上 鎭 (資)井上化成

瀬戸せともの祭

窯業都市として一千余年の歴史を持つ瀬戸。時代で幾多の盛衰、変遷がありました。「せともの」が焼きものの代名詞として世界の人々に知られるようになったのは、豊かな自然環境と産業政策、そして先人達による時代にあった技法の開発など、たゆまぬ努力の賜物です。秋のせともの祭りでは、新作発表や陶芸展なども催され、瀬戸川沿に二百余の露店が立ち並び、五十万人以上の人出で賑います。



どうゆうき

この九月に同友会の仲間四人とフランスのアルザス州に行き、まず坪単価三百円という土地の安い事には驚かされました。電気代や油代は日本の七割位、大卒の初任給は二十万〜二十四万位だそうです。大学院卒だと三十万円位で、その分野で少々勉強している人に限りだそうです。また農業自給率は一二〇%で農産物は安く買うことができます。有名なワインについてはブドウ畑が二kmから三kmの幅で約百kmも続いていると聞いてびっくりしました。そしてフランスは先進国だから乗用車も立派な車が走っているだろうと思っていましたが、日本の千二百CCクラスが主流でした。「フランスでは車は足がわり」と日本で聞いていたことが実感できた一方で、日本人の車に対する考え方とのギャップを感じました。現在、アルザスにはソニーをはじめ、日本企業十四社が進出し、四千名の人達を雇用しています。私達が訪ねた日本企業では五十名くらい現地の人を雇用していましたが、日本人以上に勤勉で働くそうですし、日本人とはうまくやっているそうです。女性の就業率は九九%と聞き、これにもびっくり。労働時間は週三十九時間で、労働省の査察が厳しく、守らなければ大変な事になるそうです。フランスでは来年四月一日からさらに週三十五時間制が実施され、学校の授業も短縮の方向に向かっています。「経済大国」と言われる日本でこの豊かさが実感できるでしょうか。先進国の流れを受けとめるには私達中小企業家がもっと自立しないといけないような気がします。
第三支部長山本栄男