変化を読みとり、地域とともに 総会、フォーラムに500名が参加
愛知で初めての「全県研究集会」
四月二十九日、第三十七回定時総会と同日に、創立三十五周年を記念した「あいち経営フォーラム」が開催。「変化をどう飛躍に結びつけるか」をメインテーマに、連休中にもかかわらず、五百六名が参加しました。これまで各支部単位で研究集会が行なわれてきましたが、より幅広い会員交流と経営課題の一層の掘り下げを目的に、今回初めて「オール愛知」の全県研究集会として開催されました。
創意と総意で十二の分科会を設営

フォーラムでは「構造変革の時代に中小企業経営をどう発展させるか」を基調に、「激動の日本経済をどう生き抜くか」「時代が求める強じんな経営体質とは」「地域と環境、そして中小企業は」の三つの柱で、十二の分科会が設営されました。第一分科会では、愛知独自でこの四年間継続して行ってきた景況調査の分析会議の拡大版が設定され、山口義行氏(立教大学)のコーディネートで、業種の異なる六名の会員パネリストが登場。第三分科会は「今、新しい起業人〜アントレプレーナーシップを問う」と題し、法廷場面を想定した演劇のスタイル。三人の女性起業家が被告として「なぜ企業を起こしたのか」「今後はどうしたいか」を語り、参加者全員がグループ討論で陪審員となり、評決するというユニークな形式で行なわれました。

半日をかけじっくりと
「経営の人間らしさ」をテーマに、障害者問題委員会が担当した第八分科会では床に座布団を引いた「車座」で討論が進行。また第十二分科会では瀬戸を事例として、構造転換の時代における中小企業の経営戦略を十三名がリレー報告。また、第六分科会では報告者が海外出張先から帰国できなくなり、急きょ座長が報告者を務め、代役ではなく、主役として報告するという一幕もありました。各分科会で創意をこらし、メインテーマである「変化をどう飛躍に結びつけるか」を半日かけてじっくりと深めあいました。参加した地元大学の先生からは、「日本型経営の現代的意味について示唆を受けた。分科会での諸問題は解答のあるものではなく、勉強なり思考の課題です」という旨のお礼の葉書が寄せられました。各分科会の詳細内容は「同友Aichi」(七月号―号外)でお伝えます。

三千名会員を展望し、増勢の年に

鋤柄修 (株)エステム(代表理事)
本年度の総会も終了し、新しい活動方針に基づいた諸活動がすでに各分野で展開されています。また政策の失敗による政策不況からの脱出は非常に難しい局面をむかえており、私達をとりまく経営環境は大変厳しい状況にもあります。同友会という団体を「経営」という側面から考ると、その一つの指標である会員数がこの四年間減少し,いわば「売上高」が減少しているのが愛知同友会の実情です。九三年四月の二千三百二十一名を最高会勢とし、その後は少しづつ減勢が続き、いよいよ二千二百名も切るのではないかという危機感を持って本年の総会を迎えました。
危機突破はまずトップから
会社の危機には社長が先頭に立ち、売上を伸ばすことが危機突破の常道です。団体ではそのトップがやるのが当然です。幸い担当の副代表理事を始め、各支部の増強委員長も「今年はやるぞ」と燃えていますし、各支部長も「増強は絶対に必要だ」と理解してもらっています。私自身あらゆる機会に会員増強の話をします。それは同友会の良さを知らない経営者がまだまだ沢山いるからです。企業でいえば「未開拓市場」がまだ広範に残っているということです。この事を会員の方々に理解いただき、一人でも多くの経営者の方々に,同友会に入会していただく活動を展開しようではありませんか。元気がよくて楽しい増強活動を推進し、近い将来三千名会員達成の為、増勢に転じる年にします。ぜひ一人一人の会員の皆さんのご支援とご協力をお願いします。
どうゆうき
今政治がよくわからない。知らないうちに新しい政党誕生、国会議員の政党間移動、それに矛盾した国会答弁…。すべて一貫性、整合性がない。その上、官僚の接待汚職を加えると、非常識ではなく、異常識の「人種」と言っていいだろう。このような人達が、現在の「政策大不況」を起こしたのも当然の結果かもしれない。この日本の三流政治は以後よくなるのだろうか?私達は国民の一人として、いろいろな選挙で投票という形で政治活動に参加している。「選挙が終わったら後は知らない。選挙中の公約に違反しようが知ったことではない」では日本の政治は良くはならない。日本民族の政治への鈍感さ、民度の低さ、無責任さが、今の政治を許している一つの原因といえよう。同友会は過去政治活動をしてこなかったわけではない。同友会の全国組織である中同協は、毎年中小企業家の要望を集め、「政策提言」という形で二十五年間提言を続けているし、消費税問題の時も意見を述べてきた。これからも、その時々の政策課題に対し発言しつづけるであろう。これからの愛知同友会も支部・地区を強化し、地域と共に歩み、各自治体に政策提言していきたいと考えている。七月に参議院選挙をひかえているが、結局主権者としての私達国民が、選挙を含め、政治活動への参加なくしては、また山口義行先生の言われるように、同友会も中小企業の利益を守るために声を大にしなければ、三流政治をせめて二流政治にすることは不可能であろうし、民主主義を保障していくことも「夢のまた夢」ではなかろうか。
副代表理事 津田豊造