がんばれ社長シンポジウム
450名が参加アピールも採択会外経営者八十四名も参加


六月十二日、中小企業振興会館で「がんばれ!社長シンポジウム」が開催され、会外参加者を含め、四百五十名が参加しました。「政策不況」と言われ、経営環境が一層厳しさを増している中、銀行の貸し渋りへの具体的な対策を含め、どう乗りきるのか、「一社だけで悩んでいないで、一緒に考えていこう」という主旨で今回行われたものです。シンポジウムでは、金融機関の貸し渋り対策や、今後の経営戦略などについて、元大手都銀融資課長で、現在下部(株)日本ビジネスクラブ社長の宮本孝氏(東京同友会会員)、現役銀行マンである浦野弘氏(銀行産業労働組合・副委員長)、愛知同友会会員の江崎信雄氏((株)江崎本店・社長)と加藤明彦氏(エイベックス(株)・社長)の四人をパネリストに迎え、会場からの発言を含め、三時間にわたる熱心なパネルディスカッションが行われました。

「銀行依存から脱却を」宮本氏浦野氏「自社の将来に確信を」

シンポジウム当日参加者にお配りした小冊子を有料で配布しています。



アピール



どうゆうき



昨年九月、愛知同友会の中では、今後の景気動向をについての「年末に向けてかなり落ち込むのでは」という予測をたてた。その頃、日銀等は「ゆるやかな回復にある」と発表し、私達の実感との間に大きなギャップを感じさせた。金融機関の貸し渋りはこの頃から徴候を見せ始め、昨年末には会内の調査でその体験者は十三%を越え、今回五月の調査では十七%台に達している。
四月の経営フォーラムの第一分科会ではこの問題が取り上げられ、さらに六月十二日の「がんばれ!社長シンポジウム」では約四百五十名が参加し、会外にも大きな反響を与えた。
バブル経済崩壊後に露呈された日本経済のもろさが、ついに、企業への融資を見あわせという異常事態にまでなってしまった。「貸し渋りとは何か」という定義は大変難しい。いつの時代にも、金融機関から融資を受けられなくなった企業はあったが、今回のそれと同一視することはできない。企業にとって融資の停止は、手の施しようによって助かる患者への輸血を、医師が確固たる理由も示さず拒否し、見殺しにするようなものである。
経営に影響を与える事柄について、いろいろな対応策がある。貸し渋り対応策も同様で「がんばれ!社長シンポジウム」に参加した人たちはそれを確実つかんだものと思う。パネリストの報告の中にもあったように、大切なことは経営者の確固たる時代を視る目が今更ながら求められており、同友会が提起続けてきた経営指針の確立こそ、まず企業に必要なのである。


会長 佐々木正喜