W.会員企業で同友会理念の総合実践が問われる
こういった新年度の活動を総合的に進めた結果、最終的に問われるのは、これからの時代がどんなに厳しく、激変の環境であっても会員企業が地域社会に貢献しながらたくましく前進することです。会員が同友会活動に取り組む中で、基本になる考え方として、特に重要な次の三つの点を心がけましょう。
(1)同友会理念を総合課題として第一の視点は「同友会理念とは同友会運動の歴史の蓄積の中で培われてきたもので、同友会の目的、性格、基本となる考え方を総称している」ということです。
その第一は、◎よい会社をつくろう、◎よい経営者になろう、◎よい経営環境にしよう、という「三つの目的」です。第二は「自主・民主・連帯の精神」で、第三は「国民や地域とともに歩む中小企業をめざす」という三つの点にまとめられています。大切なことは「総称」している点にあって、どれか一つだけが同友会理念ではなく、総合課題として捉えておくことが重要です。
(2)「経営指針」「求人」「教育」は三位一体「二一世紀型企業づくり」は同友会の日常活動を通じて学びとるものです。
それは三年後に迫った「二一世紀に会社を発展させるぞ」という実践者集団の誓いです。第二の視点は、経営指針成文化の取り組み過程の議論で「経営指針を創ることが目的ではなく、目的は良い会社を創ること」と言われます。経営指針を成文化して額にいれて飾って置いても意味がないことです。経営指針を背景にして、計画的な「求人」に取り組み、採用した人達を「理念」に基づいて育てる。このことが一貫していないと「経営指針づくり」をしたことにはなりません。

3)三つの目的の総合実践第三の視点は、三つの目的は相互に絡み合い有機的なつながりを持って発展させなければならないことです。
「よい会社」にして行くためには「よい経営者」になる努力を欠かせませんし、中小企業が繁栄する土壌◎「よい経営環境」がどうしても必要です。さらに、同友会が「よい経営環境」にするためのアピールをするときにも、その構成員である会員が「よい会社」「よい経営者」をめざす"良識ある経営者団体"としての社会的評価を得ていくことが大切です。