同友会なぜ?なに問答(6)
特集(第2回)99同友会ビジョン(11月30日の広報委員会より)
(Q)旗印2では「地域社会と共に歩む中小企業」づくりをかかげていますが。
(A)基本にあるのは「同友会三つの目的」の三番目の目的の実現です。そこでは「同友会は、他の中小企業団体とも提携して、中小企業をとりまく社会・経済・政治的な環境を改善し、中小企業の経営を守り安定させ、日本経済の自主的、平和的な繁栄をめざします」と言っています。なぜこの三番目の目的を掲げているかと言うと、私達の会社だけが良くなっても、中小企業全体は良くならないからです。企業数で言うと九九%は中小企業で、就業人口の四分の三以上が中小企業で働いています。このように私達中小企業が日本経済を支えているのですが、国や県が中小企業を支えるといった施策は非常に少ないのは、国家予算一つ見ても明らかです。また、大企業のように少し困っても、施策的に生き残れるような恩恵を受ける事は、中小企業ではできないと思って良いでしょう。そういう問題点を少しづつでも国民や地域を巻き込んで解決していこうというのが、私達の中小企業家の、同友会運動なのです。このことをよりはっきりさせて、継続的に運動をしていこう、これが旗印2を打ち出した根本の考え方なのです。
(Q)それは同友会がもっと政治的に、圧力団体になると言うことでしょうか?
(A)圧力団体をつくっても中小企業の抱える問題は解決できないと思います。特定の政治団体や政治家と組んで私たちの要望を実現していこうとは少しも思っていません。そんな事をやればやる程、反対者が出るだけです。ですから、私達の考え方や提案を「政策提言」という形で、きちんと要望すればいいと思っております。しかし一番大切なのは、行政の人や学者・研究者、そして様々な立場の人達と一緒に、この地域をどうしていくかをともに考えていく事だと思います。そうすればおのずと社会的にも評価は高まり、政策提言にしても、より受け入れてもらえる土台がつくれると考えています。その時でも、政党に対して等間隔でお付きあいし、同友会の考え方や中小企業全体の置かれた立場を理解してもらいます。一番肝心なのは、私達が何を考え、何を研究し、何を構築していくかなのです。
(Q)ある同友会は、地域の問題に対して「企業が学校になる」という目標を挙げています。中小企業施策にかかわらず、地域の教育問題なども視野に入れる必要があるのでは?
(A)「地域社会と歩む中小企業」のポイントになるのが、「経営者、企業家として見つめる視点」と「生活者として見つめる視点」を兼ね備えた「複眼の視点」です。企業経営者の見方だけでは見えない問題が(たとえばゴミ問題)たくさんあります。このような視点を持つ必要性を今回のビジョンの中で述べています。そのポイントになるのが、各支部での「研究会」活動です。「研究会」という場所をつくり、そこにも行政の人、学者・研究者等に入っていただき、中小企業のめぐる幅広い課題を一緒に研究していこうと提起しているのです。今後、各支部で地域の課題で議論を深める場である「研究会」が多様に生まれることを展望しています。