第四回第一支部研究集会11月28日

自社を変革し、市場創造型企業をめざそう〜貴方の会社を倒産させないために〜
第一支部研究集会も四回を迎え、百七十七名が参加し、盛大に行われました。支部研究集会は、(1)会員が直面し、方向づけを求められている課題を会員相互で学び、解決の糸口を探る、(2)グループ討議を通して、会員交流を促進する、(3)同友会の魅力を知らせ会員増強との結合を計るという目的で、開催されています。基調講演の黒瀬直宏先生(豊橋創造大学)の講演テーマはズバリ「自社を変革し、市場創造型企業をめざそう〜貴方の会社を倒産させないために」で、ここに今回の研究集会の目的が集約されています。今月号では、三つの分科会の内容を掲載します。
第一分科会お客様には感動を働く人には歓働を
山内和義氏(株)いちまるさん・社長
経営者が自ら感動できる感性を
顧客至上主義、顧客満足、社員教育、マーケティングなどなど、経済が芳しくない中でこれらを題材にするセミナーは数多い。しかし受講する経営者の感性が鋭くなければ「学び」はできないのではないか?同友会でも様々な勉強会が催されている。これをもっと有効なものにするには、「経営者が自らが感動する」という感性が大事なのです。ここに「気づき」がなければ、自社の変革は難しいと。こんな打ち合せの中、感動を自ら実践してみえる〓いちまるさんの山内和義社長が第一分科会の報告者に。氏は現在、愛北地区の地区会長で、社員数百四十八名の外食産業を経営している。報告の前に座長から次のような話があった。「『山内氏だからでき、自分たちには無理だ』という聞き方でなく、この講演を出発点として欲しい」と。
「お父さん、店をたたもう」
サラリーマン時代、上司と衝突した。その都度、自分の「居場所」がなくなっていった。最後は、実家でも継げばという想いがあった。当然仕事もいい加減。当然の帰結として、会社を辞める事に。実家を継ぐにあたり、寿司職人になるため修行に出る。中途半端な二年という修行時代を終えるが、それゆえの努力をした。高蔵寺に出店。バブル時代も手伝ってか順調に推移。藤が丘に回転寿司を出店。若いがゆえの甘さも手伝い、赤字が膨らむ。高蔵寺の利益を藤が丘が食いつぶす。焦燥感の中で天井全体がお金に見える夢を見た。寝ぼけて、それを掴もうとする。それを見た妻が言った。「お父さん、店をたたもう」店を、そして家を処分。それでも借金が残った。小さなアパートに移り、家族全員が「川の字」で眠る生活がスタート。絶望的な借金の中で、妻と誓った。「もう一度頑張ろう、自分は亡くなった兄弟の分まで、二倍人生を生きる義務がある」。
感動を社員に歓働がお客様を
名倉カントリーの創設者である柴田氏との出会いがあった。ゴルフの中島常幸プロにゴルフ場の設計監修を依頼したいので、取り持って欲しいとの依頼。柴田氏の「男としての最後の仕事に妥協はしたくない」、その言葉に、無け無しの一万円を握り締め、東京に向かう。中島プロに会い、柴田氏の想いを伝える。そして私に電話があった。「山内さんにゴルフ場内のお店をすべて任せるという条件で、柴田さんと契約したよ」。この出会いがなければ、現在はなかった。しかし社員が集まらない。ゴルフ場のオープンは迫る。この時も、人との出会いに助けられる。出会いと、自分の想いを相手に分かってもらう努力を続けること。このことの大切さを肌身であじわう。勤労感謝の日には、社員一人一人にラブレターを書き続けている。「社員が歓働しなければ、決してお客様に感動を与えられない。経営者が感動する感性を持たない限り、社員は感動しない」。
【参加者の感想より】
・同じレベルの人間が集まる。「社員のレベルが低いという事は、己のレベルが低い」と気づいた。
・社員と同じ夢を語り合う会社にして行きたい。
・「経営者とはなんぞや」を、改めて感じさせられた。
F&Iライフコンサルティング水谷俊洋(一宮地区)
第三分科会新しいビジネスを創造して
福山昌男氏(株)アイワ(マイウッド(株))社長

日本経済は失速状態にあり、金融機関の破綻を始め、大企業の倒産が続発する中、(株)アイワは、プラスチックメーカーとして創業より二十二年目を迎えています。サラリーマン時代からひそかに蓄えてきた企業家精紳を活かし、公的資金を活用し、木材の再利用する会社、マイウッド(株)をスタートさせた苦労話を、福山社長は淡々と笑顔で語られました。新事業の産の苦しみと、本業の(株)アイワを継続し育て上げる福山社長の力強い報告に、参加者一同引きこまれるように聞き入りました。質疑応答では「とにかくすごい、バイタリティーがある」「外部経営資源の使い方がうまい」「ギブアンドギブで人脈造りがうまい」など色々な意見が出されました。その中で、一番印象に残ったのは、「新しい仕事に男のロマンをかける。ビジネスをすることはそれほど苦痛ではない」という福山社長の一言。何か今まで忘れていた「創業者精紳、チャレンジスピッリット」を思い出し、また勇気づけられました。私達は、大企業のまねではなく、「元気、夢、目的」を持って自社独自の経営手法で、この不況に立ち向かっていきたいと思います。
大島自動車大嶌泰一(春日井地区)
理事会報告
第9回理事会報告(1/13)
◆会場愛知県勤労会館
◆参加者二八名/三四名
【討議事項】
議題(1)第38回定時総会の活動方針の検討
☆「横請け」という表現よりも「お互いの得意分野でネットワークを組み、新市場を創造する」としたほうが、ビジョンとの整合性もある。
☆「環境問題への中小企業の対応」について盛り込むべき。
☆ビジョンと年度方針の整合性を明確に。
◎引き続き理事会等で討議し、二月理事会には書き直し案を提案する。
議題(2)99同友会ビジョンの検討
☆ビジョンの理解は進んでいない。ビジョンのQ&Aを独自に作成し、地区会員に配布した。
☆同友会の「共育ち」について、もっと広く考察することが必要。
◎引き続き、理事会等で討議を行う。
議題(3)99年度末予測
◎執行状況報告がされた。
議題(4)「事務局活動改善答申案」の検討
○今回は専務理事制度の導入についてのみ検討
☆専務理事の決済権限の範囲を明確にすべき。
☆任期の問題、解任に際する留意点等の検討を。
☆「会員は何をやるのか」ということをはっきり打ち出さないと、会員の理解は深まらない。
(代表理事の回答より)
(1)三千名会員体制を展望し、権限をもった専務理事が、日常的に舵取りをする必要がある。
(2)マスコミ等で同友会が注目される中で、「会の発言」として日常的に対応する役員が必要になっている。
◎継続討議することを確認
【報告・承認事項】
(1)99会員名簿の完成と余剰金予想が報告。
(2)本年の全国広報交流会の地元愛知開催を承認。
(3)昨年末の県との政策学習懇談会が報告。
(4)障害者問題全国交流会の収支を報告。
(5)第38回愛知総会(4/24)の設営要項を承認。
(6)「99年度インターンシップ計画」が報告。
(7)中村事務局員の退職を承認。補充については次回理事会で検討する。
◎入退会の確認
●入会者一二名
●退会者五名
●現会員数二二一一名
【文責・事務局・福島】