
海上池(瀬戸大正池)
今まで海上の森を見る前までは深く考えずに漠然と「万博…?」「景気にも多少はプラスかな?」「いいじゃない」など、軽く考えていました。実際現地を見たら、自然破壊、生物絶滅危機など、多くのデメリットがあるような気がします。(下記の記事参照)
撮影:加藤宗男氏渇チ藤建設(三河東地区会員)
三河東地区5月16日
自然とふれあい人とふれあい新緑の「海上の森」を歩く

今回は私たち「環境問題」勉強グループ担当で万博予定地である「海上の森」のハイキングを行いました。当日朝からの雷鳴、激雨でどうなることかと思った天気も「愛還鉄道」の山口駅に着く頃にはすっかりあがり、瀬戸地区の友情参加5名、オブザーバーも含め、総勢118名が集合しました。駅前で支部長と地区会長挨拶や趣旨説明、準備体操等の後、現地の自然保護団体の人の特別案内で、健脚グループ1組、一般グループ3組で順次スタート。シデコブシ、ヤマボウシ、エゴノキなど初めて見る木の説明を受けながら、また野鳥の声を聞きながら、若葉薫る新緑の森を進んで行きました。ムササビの巣もありました。この巣も万博の為の新しい道ができると生活活動範囲が分断されて、生息が困難になるそうです。
人工林70%自然林30%
自然林と人工林の違いも知りました。自然林(雑木林)には落葉が積もり、微生物、昆虫野鳥、キツネ、タヌキ、ムササビ、リス等の生き物が生息し、自然の生態系が営まれています。一方人工林は、杉と檜という常緑樹1種類の植林で、落葉もなく、生き物も生息せず保水力もないので、雨水は栄養分も含まず、そのまま表土と共に流れて行ってしまうそうです。そしてこの川の先が藤前干潟になっています。そうすると折角残した藤前干潟に魚、海草、微生物、渡り鳥の栄養分は届きません。海の栄養分は森から流れていくのです。日本は緑の多い国と言われていますが人工林が70%で、自然林は30%です。その貴重な自然林を切ってしまいそこを万博本会場にするそうです。何か割り切れない気持ちです。
自然のままで残してほしい

出発から1時間余りで昼食場所の里山集落の元田圃に着き、手持ちのおにぎり等で食事をしました。何十年ぶりに奥さんがおにぎりを握ってくれたと言って嬉しそうに食べている人もいました。自然の澄んだ空気の中で、みんなで楽しく語らいながら食べたおにぎりは、どんな高級グルメの料理よりも美味しく最高の味がしました。食事の後は、上高地の大正池とそっくりな美しい「瀬戸大正池」に辿り着きました。静かな湖面に無数の枯れ木立が並び、まさに絵に描いた様な美しさでした。(本紙1面の写真)万博では何らかの手が加えられるそうですが、このまま自然のままで残して欲しいものです。みんなで森林浴を楽しみながら、語り合いながら約3時間、5〜6キロのハイキングでしたが、自然の大切さ、森の大切さ(世界で年間日本国土の50%の森林が消えています)がよく分かりました。
物見ずして物言えず
万博の是非に関しては、皆さんそれぞれ想い、考えがあるとは思いますが、まだ行ってない方はぜひ一度現地をじっくりご覧下さい。(毎月第3日曜日午前10時から定例の案内日です)「物見ずして物言えず」です。これに対して、じゃあメリットは果たして何であろうか?景気浮揚か?バブル崩壊以降、政府は100兆円以上の財政投融資をしたのにも関わらず、景気は一向に良くならず低迷したままではないか!
財投によるケインズの経済効果はもう通用しないと経済学者の間では言われています。この環境問題に関してはこれからもみんなで考えて行きたいと思います。私たち「環境問題」勉強グループは、中小企業家として、家庭人として、社会人として、人間として「本当の幸せ」とは何かをこれからも勉強し、今後さらに追究して行きたいと思います。
エステート橋本橋本庄三
どうゆうき
▼「フセイン」という活字や言葉を忘れかけていたら、アフリカで民族摩擦が報道され、また落ち着かないうちに、こんどはユーゴスラビアのコソボ地域の紛争。まさに休む事なく世界のどこかで、それも人類の誕生以来営々と争い事が続けられています。50余年も戦争を知らぬ日本に対し、「平和ボケ」「世界の非常識」との雑言あっても、平和に勝るものは絶対にありえません▼コソボ紛争で「空爆中止」を聞いた時、嬉しくなりました。テレビの画面から空爆の模様がリアルに報道されるだけに身につまされます。昭和20年明け、私が8才の時でした。前夜の空襲で死んだ母と父の姪の亡骸を、無理して手に入れた棺桶らしき箱にいれ、日用品といっしょに大八車に載せて、焼出された人・人の中を、まだ燃えている町並みをくぐり、津島まで昼夜にかけて逃避した様が今でも思い出されます▼いかなる戦争でもその被害者は常に貧しき国民です。先日ケルンサミットが開かれました。コソボ紛争の戦後処理問題が大きな課題でしたが、コソボを脱出するセルビア人避難民と帰還するアルバニア系住民の問題があり、平和は遥か遠く、後遺症も深いと思います▼55回目の終戦記念日を間もなく迎えます。良くも悪くも、人類は当時の想像を越える発展をとげました。しかし残念ながら戦争の悲惨さ、人の命の大切さ、戦争の愚かさなどの教訓が活かされてはいません。情報網がこんなに進歩し、各国首脳の行き来も短時間に、かつ頻繁に行われているにもかかわらず…。なるほど、戦争は武器をはじめ近代化しましたが…。
副代表理事広瀬嘉人