活動報告

名古屋第3支部例会(5月17日)

人を生かす経営の基本
~企業が継続的に発展するには

高瀬 喜照氏  (株)高瀬金型

学びの「実践」の必要性を繰り返し伝える高瀬氏

創業時の想いを理念に

名古屋第3支部では、(1)労使見解に基づく「人を生かす経営」をしよう、(2)地区間交流を進めよう、を今年度の支部方針として掲げています。その方針に則り、今例会では、人を生かす経営を実践し継続的に会社を発展させている高瀬金型の高瀬喜照氏に報告いただきました。

高瀬氏は、金型の製造に黙々と取り組み、責任を持って仕事にあたる父の姿勢を幼い頃から目の当たりにし、そこから仕事のやりがいやモノづくりの誇りを受け継いで、35年前に創業しました。その時の想いが、今の経営理念の幹となっています。

創業3年目に弟が入社し、その後、自身が独立前に働いていた会社の廃業に伴って社員を3名雇用。その流れで中途採用を繰り返し、社員が急増して仕事量も増加します。前述の理念が意識されることもなく、取引先からの要望にも満足に応えられなくなり、高瀬氏と社員との間に軋轢が生じ始めました。

人を信じ、任せる

しかし、インターンシップを通して出会った女子学生が、理念を素直に受け入れ、仕事に関心を示してくれたことが転機となります。人の可能性を感じた高瀬氏は、共同求人で新卒採用を始め、その若手社員が失敗しながらも成長していく姿を見て、人を信じる重要性や、信じて任せることで人が育つことに、思いを新たにしました。

結果、売上・社員が共に増え、障害を持つ社員も定着。今では彼らが技術力を磨き、海外生産が進む中でも、事業内容や取引先を拡大しているとのことでした。

人には無限の可能性があり、その能力を引き出す環境づくりが経営者の仕事であること。人が育つ仕組みづくりでは、まず個々人を認め、役割を明確にすること。また、経営指針の作成を繰り返すことで、働く目標や目的を明確にし、会での学びを指針に盛り込み「実践」してほしいと報告を締めくくりました。

グループ討論では、経営者の責任を再確認すると共に、経営者と社員との、あてにしあてにされる関係づくりの必要性が議論されました。

(株)ホンジン自動車  後藤 崇夫